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1-V-2 高一再生式グリッド・リーク検波 ST管3球ラジオ Feed

2016年6月16日 (木)

再生検波 考える。  再生時は軽微な発振状態だ.

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一昨日の「グリッド・リーク再生 考」にて基本的な事は記しておいた。

それにしても グリッド抵抗の算出方法に対してweb上での知見がほぼ無い。それだけ古典すぎて触手が動かないのかも知れないナ。

「再生式ラジオでは周波数カウンターを接続しても表示しない」とご質問をいただいたが、果たしてそうなのだろうか?

①写真を撮った。

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40年前の周波数カウンターでも 充分に検出する。 検出点はバリコン端。

②では6d6のトップキャップで測ることにした。

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支障なく計測できるが、お邪魔な負荷で周波数が20kcほどさがっている。

おもちゃの周波数カウンターなら測定が苦しいかも知れないが、メーカー製ならば楽に検出するレベルの発振強度を持っていることは一昨日の動画の通りだ。

2000円周波数カウンターでは感度不足でスーパーラジオの周波数も満足に測れなかったが、そいつでも測れるように深く結合させると発振強度分布が変ってくるので、技術的には本末転倒の方向になる。

オイラに問う前に、「己の技術水準を上げる」努力をしていただきたい。道具は普通に揃えた方がよい。最新鋭の必要はない。オイラのように40年前のシステムで足りると想う。

周波数安定度はメーカー製カウンターでみるかぎりヘテロダイン検波と同じだ。 安定度が悪いと想われているらしいが、その根拠がいまひとつオイラには判らん。構成部品に変ったものはない。実際に放送を聴くとヘテロダインよりも安定している。真空管ラジオの安定度は 熱に左右される。IF段ですら時系列で周波数の揺らぎが判る。

繰り返すが再生時は軽微な発振状態だ。一昨日の記事のようにそれはオシロでも見れる。周波数カウンターも作動して数字を表示する。再生ラジオ全盛期と今では言葉の概念が異なってきているようだが、「強い発振の直前で感度がgood」になる。

オイラは御馬鹿です。

昭和25年の 0-V-1回路へ続きます。

2016年6月14日 (火)

グリッド・リーク再生検波 考

民主党政権時代に最低賃金を1000円に上げようとしたが、それを潰したのは自民党様です。覚えておいででしょう。 色々な幹部の方が、1000円賃金を批判してましたね。もし忘れているなら痴呆症を疑ったほうが御体の為です。

現政権は、さて批判したのにも係らず最低賃金を1000円したいらしいですね。まあ一貫性がないがな。

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検索エンジンで「グリッド・リーク検波」を調べると 上位にオイラの記事が来て、とてもビックリしている。 枯れた技術なので、大方の「真空管ラジオの本」には説明文が載っている。

そのような情報は、①先ずは、本を手に入れて読む。②そして自分の手で造って確認する。③そして真偽を検討すればよい。

再生式ラジオは受信中にデジタル表示できる。そりゃ当然のことだ。


YouTube: はいぶりっどラジオ 1-V-2 デジタル表示

この1-V-2の製作記事はこれ

再生式ラジオの再生状態をLEDカウンターから見ると、

強く発振していると 表示する。

弱く発振していると数字がちららちしている。 だが音声がまともに聞こえるのでこれが再生状態だ。(カウンターで検出できる程度の発振強度状態だ)

①「バリコン ⇔グリッド抵抗」にオシロプローブをあてた。


YouTube: バリコン ⇔グリッドにオシロプローブ

SG電圧の増減でオシロの波形が大小する。VRを絞ると横線状態になる。SG電圧で発振強度がコントロールできることを示している。発振振幅も安定している。自動制御が効かない発振ならば暴走状態になるが、アンダーコントールできる。

波形はよく見かける波形。

②LED式表示器への 信号引出し点での波形。


YouTube: 再生ラジオの「表示器への信号取り出し点」波形

グリッド側で引き出すよりは弱い。JH4ABZ式LED表示器はこのレベル程度入力でも計測するので優れものだと想う。 

グリッド側で取り出すとLC共振回路にお邪魔な負荷が吊り下がり、Qが下がるのでお薦めはしない。

③ベストな再生状態を探る。SP端にオシロを接続し受信音を波形で計測。


YouTube: ベストな再生点

波形を見ると判るように、ベストな点がある。音でも聞き分けできる。この時カウンターは信号を拾っているのでラジオは発振状態ではある。

オイラが持っている本には、ピー音、ボー音など差分によるビート音が聴こえる状態を帰還発振。支障なく音が聴こえる状態を再生状態と区別したニュアンスで記述がある。

カウンターが信号を受けているのは事実であり、数字表示しながら放送が聞こえるよう調整できるのも事実だ。オシロ波形からは多くのことを学べる。

上手に再生できている時は残念ながら発振している。(動画のように周波数カウンターが反応している)。

高一部の同調バリコンを回すと信号が強弱するので、入力に応じて再生されていることも判る。

④もう少し触ってみた。


YouTube: 6D6再生ラジオで実験

強い発振になってしまうと放送波がなくてもoscする。(当り前ですね)

まとめ

軽微な発振状態でラジオ受信できる。これを再生検波状態と呼ぶようだ。

強い発振状態では音声には為らない。強い発振になる前に「ベストな検波状態」がある。

発振強度はコントロールできる。これは普通の発振回路と同じ。

いわゆる「発振の一歩手前」ってのを今回は動画にUPできた。(ただしカウンターは反応しているので強い発振の手前と呼ぶのが良いと想う)。言葉だけ一人歩きしたようで、実際には軽微な発振状態が感度よい、取り分け強い発振の手前がgood.

「如何に軽微な発振をスムーズ化するか?」 これは結構 難しい。並3コイルの出来とバリコンの相性もある。 

グリッド抵抗とC値の設計方法はNHK発行の本に記述があるので一読をお勧めする。

再生式ラジオの理解が進みましたでしょうか?

再生時は軽微な発振状態だ へ続きます。

再生検波に相応しい球はバリミュー管だ。古書にも列記がある。特性を考えるとバリミューに帰結する。とりわけややお疲れで増幅度が少し下がった球のほうが、電圧に対するレスポンスがゆるやかなのか? いたって具合が良い。 再生動作のsg電圧はコイルの巻き数(比率?)に依存するので、様々な製作記は参考情報として眺めるのが良い。

出品中の商品はこちら

2016年6月17日追記

オイラが部品購入で好んで使っている「マルツ」さんのWEB

懐かしのラジオでラジオの基本をおさらい 第1回」記事中の説明文が

「再生式では発振(ピーー音)寸前で再生バリコンを調整し、この時が最大感度です」とあるが実際には再生時は軽微な発振状態なので、訂正していただくようお願い申し上げた。 広報性の強い販売商社さんゆえに正しいことを伝えていただきたい

さて、訂正されるか? そのままか?

自分で手持ちの再生式ラジオに周波数カウンターを当てればすぐに判ることなんだけどね。

どうも、訂正される気配はないようですね。

2016年6月 7日 (火)

真空管ラジオ工作の入門には

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日本、 著作権の期間は死後50年のようなので、ラジオ全盛期の記事を、著者の同意を得ずにそのままUPするのは法的にはNGだろう。50年経過しているかな? 共同著作物の場合もある。 世界標準としては70年だね。

販売元が権利を100%持っているわけではないうえに無名だからとupするのはout.それでもUPしているsiteがかなり多数あるのは、明治32年までの「著作権を認めない」時代のような思考なのか?? 作家では無断転用で謝罪することも10年に一度くらいは聴くね。

独自性がもとめられる業界でもコピーとかパクリが日本でも蔓延しているようで、「佐野る」ことはだめだね。かの佐野氏はusaに居るらしいが、、。

昭和25年発行本を読んでいると 学ことが多い。 ??と想うこともある。

①「真空管ラジオ工作の入門には何を薦める?」と問われれば、どう答えよう、、。

配線ミスなく作れば鳴るのは、スーパーラジオだ。調整にSG等測定器が求められる。

再生式単球は電波の強い処では鳴るが、オイラの環境では放送は聴こえない。1-V-2にして放送を楽しめた。製作時の測定器としてはテスターでSG電圧を測るだけだ。

①の答えは、測定器持っているならスーパー。 テスターしかないなら1-V-2だろう。

製作オタク向けには再生式ラジオのデジタル表示化をお薦めする。

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6SQ7と6H6では音色の違いがあるように検波管であからさまに音が違う。

先ずは、ご自分の好みの音色を出してくれる検波管を見つけることが、「ラジオの音色」を語る第一歩だと想う。

真空管再生式ラジオを作ってみよう。⑤デジタル表示化

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④の続きで、本ラジオの最終章です。

・まずバリコンプーリをつけた。

・LED式デジタル表示器を載せた。 このデジタル表示器は先般の実験のようにノイズ源にはならない貴重なタイプだ。  実験 

動画のように再生式でも表示する。 再生が起きていないときはそれなりの表示だ。SG電圧を可変するとデジタル表示の数字が変るので わずか1kHzほどはSG電圧で周波数がシフトして行くことを体験できる。 

SG電圧を変えると、それに伴い真空管内部Cが変化することはスーパーラジオ調整時に経験しているはず。(過去記事に幾度もUP済み)

もしも体験していないなら自作ラジオの製作経験が少なすぎる。

 

はいぶりっどラジオ 1-V-2  デジタル表示
YouTube: はいぶりっどラジオ 1-V-2 デジタル表示

NHK第一は540kHzで松本市から電波が飛んでくる。 表示のズレも1kHzもない。(再生式だよ)

このLED式表示器の製作者JH4ABZ氏に感謝申し上げる。再生の掛かり具合で表示がゼロ~受信周波数を表示する.

再生式真空管ラジオにLED式表示器を載せたのは、オイラが初めて???

オイラはお馬鹿だから、良い子は真似をしない方がよいかも知れない。ともあれIFTなしのAM放送の音が良いことに驚きを感じた。34年前にR-390の音を聴いた衝撃に近い。

配線間違えさえなければ、必ず聴こえてテスターだけで作れるこの1-V-2は入門用にお薦めだろう。

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この表示器をつけるとデジタル表示できる他に、メリットが1点ある。 それは自作すれば判る。そのメリットの恩恵を受けるのは自作派だけだ。

原理を知らないお方は、LED表示して当たり前だと想っているらしい。本稿は製作オタク向けの記事でした。 

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ここで使ったLEDダイナミック点灯式表示器(pic式)の情報はここにある

2016年6月 5日 (日)

真空管再生式ラジオを作ってみよう。 ④高一部の同調具合で再生を調整する

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続きです。

①バーアンテナコイルの2次側(トランジスタ側)は1次側の15%前後が多いので、そうなるように巻きなおす。(NPOラジオ少年のバーアンテナ)

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②周波数表示に悩むので、とりあえずノイズが発生しないLED式表示器(JH4ABZ氏作成)をつけた。

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音声信号も含めて帰還発振しているので、表示がちらつく。864kHzを受信中ではある。周波数カウンター系で計測・表示させるには100kHzくらいからのハイパスフィルターが必要ぽい。しかしハイパスフィルターをつけると表示がもっとちがってきた。 従来のLCD表示器はOFF SETゼロの動作はしないが、-455で安定して表示する。

③バーアンテナの長さによる感度差を確認する。

まずは90mm。

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 続いて140mm.

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概ね10dBほど出力が増えている。

バー長が伸びたのでインダクタンスも増える。同じ同調点にするにはコイル巻数を減らしてインダクタクンスを減らすことが必要。 巻き数を減らすと誘起電圧が減るので感度も下がってしまう。周波数合わせのために解くと感度が下がるのでややこしくなる。バリコン容量を減らすと可変レシオが減って新たに苦しいことが発生する。 ラジオはアナログなのでこういう苦しい点が発生する。

高一部の同調ぐあいで再生具合をコントロールしているので、上のバーアンテナ2パターンで聞きくらべしたが、90mm長のほうがスムーズに再生調整できた。

⑤高一部の同調具合で再生を調整する動画。一番右がポリバリコンのツマミ。

ポリバリコンツマミを回すとピー音が聴こえるので、再生具合が変化しているのが判る。


YouTube: ST管+TRのハイブリッドな 「1-V-2」  高一部で再生調整

高一部で再生具合を調整すると動画のようにかなりスムーズな再生ができる。この1:3低周波トランスも癖の無い音で聴こえてくる。

6d6のsg電圧はmax20Vになるように分圧してつくることが重要。

高周波増幅させるので相が360°廻るとしっかり発振する。ゆえに部品レイアウトには注意。段間トランスもこれだけ離すと電源トランスからの漏れを引き込まない。(経験上5cm離れればok)

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1-V-2ならばオイラの環境でもMWはしっかりと聴こえ、音も楽しむことができた。IFTなしゆえに音色には伸びがある。ガサ音ぽい6Z-P1でも 軽音楽を楽しめた。

スーパーヘテロダイン工作に飽きたら、このような1-V-2をお薦めする。

この続きは、再生式ラジオでデジタル表示させた

再生式ラジオでデジタル表示させれないと信じているお方はまだ製作経験が不足している。

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以上、通算186作目。

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再生が掛からないSG電圧でも6D6は動作しているので、中電界・強電界では再生なしのグリッド検波でラジオ放送が聴こえると想う。

6d6のグリット抵抗とCの算出方法はNHK発行のラジオ技術教科書に載っている。一読することをお薦めする。

「高一+ゲルマダイオード検波」だとバンド上限に向かって感度が落ちていく。(理由はNHK の本に記述あり).  それに比べて、この1-V-2の感度低下は、はげしくない。1-V-2はテスターだけでつくれるし、感度もまずまず入門用にお勧めできるだろう。

2016年6月 4日 (土)

真空管再生式ラジオを作ってみよう。 ③SG電圧で再生具合のコントロール

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②平滑回路の続きです

 この電源トランスBT-2Vでいままで5~6球ラジオを作ってきた。その時は+Bは200~190V位だったが、今回は3球なので通常の半分の電力で済む。結果+Bは220Vになっていた。

★さて部品を実装したので通電した。SGからの信号も受信できた。

6D6のSG電圧コントロールで再生発振具合を変化させる。12V~21Vの可変範囲にした。16Vから17Vで再生が掛かる。再生発振点からSG電圧を低い側戻しても発振継続するのでヒステリアス具合が体験できる。概ね0.3Vほどの範囲でヒステリアスな応答がある。(後述のRF部をつけたらヒステリアスぽいのが消えた)

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受信状況はNHKがRS33で聴こえる。声の主が男女どちらかは判る程度。やはり再生式なりの感度だと想った。

★高周波増幅段を2SC1815GRで組んだ。

+Bを抵抗分圧で確保しようとしたが、6D6のSG電圧の可変範囲へ影響がでて 具合よい値が取れなかった(2時間粘ったが諦めた)

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高周波増幅用バリコンはポリバリコン。プリセクタ-式にした。プリセクター式のメリットは混信から逃げ易いことと、再生具合をゆるやかに変化させれることだ。 

RF                   2SC1815(回路はJH4ABZ氏のものを模倣。TNX TO JH4ABZ)

グリッド・リーク検波     6D6

1st AF        6Z-DH3A

2nd AF       6Z-P1

所謂 1-V-2になった。

ループアンテナで補助させて聴いてみた。


YouTube: ST管+TRのハイブリッドな 「1-V-2」  2

 


YouTube: ST管+TRのハイブリッドな 「1-V-2」

再生式のピー音も聴こえる。VRでの電圧変化はこの位でよいようだ。530kHzも1600kHzも同じ程度の目盛り(6くらい)で再生がかかる。VRMAXだと目盛りは8になるので、VRセンターからやや入ったところで再生が掛かっている。同調をしっかりとるとスーパーで聞く音と変らない音で聴こえる。

再生式もここまで鳴ればよいだろう。

★VRを絞ってのSP端でのVTVM値。

1mVレンジで読むと0.3mV。 ラジオにしては上出来だろう。

高周波増幅(中間周波数増幅)が多数あるラジオとの比較では、値は小さい。スーパーラジオではコールド側から信号が廻ってノイズレベルを引き上げているが、この再生式はIF増幅段がないのでそれがほぼ無い。

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高周波増幅段のバーアンテンナ調整が残っている。

★AUXからの信号も正常にOUTする。

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続きます。

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真空管再生式ラジオを作ってみよう。 ②平滑回路

 

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①シャーシ加工の続きです。

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3球なので余裕多々。

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平滑回路は低い抵抗値の3段。10段程度まで実験したがラジオは3段で充分。 SP端での残留ノイズは0.5mV~1mVに収まる。抵抗値は330Ωを3個。電解コンデンサーは4.7μFに33μFを3個。 

半導体式リップルフィルターはツェナーを使っているのでラジオの雑音源になる傾向が高い。(ホワイトノイズ発生器のノイズ源は半導体を使う).リップルフィルターはさほどリップル除去しないことが実験で確認されている。CR式だとTR式リップルフィルターより一桁以上リップルが小さくなる。

基本実験は2011~2012にそこそこ行なっているので、興味があれば往時の記事を参照。

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外部入力をつけた。AUXはオックスと読むこと。外人さんお発音のようにオックス。

「音源から6Z-P1を鳴らして、聞き飽きたら再生式ラジオを聴く」コンセプト。

続きます。

2016年6月 2日 (木)

真空管再生式ラジオを作ってみよう。 ①シャーシ加工

MWのサテライトアンテナからオイラの住まいまで直線で35Km.サテライト局は1kWだ。

加えて建物が鉄筋コンクリートなので、ラジオ放送はかなり聴き難い。実際にメーカー製のFM/AMチューナーでは中波放送は全く聴こえない。

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そうこのA7を持っているが、何も聴こえて来ないぜ。MWが聴こえない環境には些かまいっている。CDラジカセもラジオは聴こえない。

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真空管再生式ラジオを作ってみよう。

過去にミニチュア管の再生式グリッド検波ラジオは1台自作した。今回は実績のあるミニチュア管でなくST管でまとめてみたい。

①AM放送の検波方法には幾つかの種類がある。

古くは鉱石式になる。 真空管を使ったものでは「グリッド・リーク検波」「プレート検波」の回路をよく見かける。もちろん2極管検波もある。「グリッド・リーク検波」はグリッド検波と略して呼称することが多い。

古書には他の検波方法も紹介されているので、学ぶことをお薦めする。もちろん「教えて君」にとっては難しい漢字が並んでいる。

②グリッド・リーク検波の増幅度は、古書によれば 6J5で6dB程度と低周波増幅動作(抵抗負荷)させた場合よりも少ない。 オイラは式が誤っているんじゃないか?とも想うが印刷物なので正しい計算なんだろう。

③ラジオでは、検波負荷によって耳が異なってくる。 「抵抗負荷」 VS 「段間トランス(低周波)」だとVTVM読みで2レンジほど「段間トランス」の方がよく聴こえてくる。 実験記事参照(これは0.9球分に相当するのでかなり効く)

 段間トランスの音域特性の支配性が強くなるので、ならべく平坦特性のものを探すのがポイントだ。

 インダクター負荷だと電源トランスからの漏れを拾ってブーン音しか聴こえないラジオも簡単に出来上がるので、部品配置には少しばかり注意したほうが良い。

「検波しきれないRF成分の除去」も同時に出来るので「段間トランス負荷」はかなり具合良い。

数式によると2極管の検波能率は90%程度。内部抵抗の少ない双二極管の方が効率よい。ゆえに6H6 >6SQ7になる。これは経験上 6AV6(6SQ7)を使うと「検波しきれないIF成分」の戻り対策が必要になることと合致する。 オイラの感じたことが数式でも裏つけされている。検波効率の良い2極管ですら10%程度はRF(IF)が通過してくるので、検波効率の劣る6AV6(6SQ7,6Z-DH3A)などをそのままAF部で40~50dB増幅すると回り込んで苦労する。

1N60のようなダイオード検波では、6AV6よりもさらに「検波しきれないIF成分」がSP端にでてきて真空管検波よりも苦労する。  余談だが音色は専用検波管が圧倒的良い。カソード部を持つ6AQ7も音が良い。つまりカソード部共用球だと音が劣ることが聴感上わかる。

この検波しきれないIF成分(RF成分)に言及した「近年の製作記事」はweb上ではさほどhitしない。おそらくは「①造りました。②鳴りました。③完了です」と深い考察をしないからだろうと推測する。また古書での記述量は多くない。

④再生式でのゲイン増は、ここに実験結果がある。

★②+④が真空管再生式ラジオでの「RF部+検波部」の利得になる。

部品

★シャーシはリードのS-5にした。 ST管スーパーで採用しているサイズなので余裕が多い。インダクタンス負荷なので電源トランスとは離した。 従来は5cmも離れればokな事を経験している。今回は10cm離した。

腹の中に納めても良いが外観上は淋しくなるので、シャーシ上面に配置した。

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出力トランスは、t-600。。過去80個ほど使っているが妙なところにピークがある。まあ実測すれば判る。

段間トランスは札幌のラジオ少年から購入。 INT-1.

並4コイルも札幌のラジオ少年から購入。

バリコンは手持ち品。

完成イメージとしては、従来の自作5球スーパーの並4版。

真空管ラジオ工作のノウハウはここにUPしてある。

真空管

再生式ラジオにバリミュー管を用いるとスムーズに再生が掛かることは古い書籍で述べられている。

グリッド・リーク検波の球を6D6 或いは6C6にするかは好みで良いと想う。

1st AFは6Z-DH3A。今回は2極部を使わないので接地すべきヒーターピンが5球スーパーとは違っていたような、同じだったような、、、。 確認しておこう。 「2極部を使う」或いは「使わない」で接地ヒーターピンが異なってくる「2極+3極複合管」もあるので、必ずよく確認をする。ST管ラジオで一元的にピンナンバー6を接地するのは、古書を読んだことのないお方だろう。

2nd AFは 6Z-P1。

以上の3球構成。 

続きます。

2号機製作記事

3号機製作記事

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「再生式グリッド検波」 と 「レフレックスラジオ」では、どちらが感度よいのか? を実験済みだ。

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