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マイクコンプレッサー基板(自作) TA2011S Feed

2018年11月27日 (火)

基板の手配先として PCBWAY と ELECROW。

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PCBを国内製造していたのは20年前にほぼ終了している。 イビデンやキョーデンのように大企業は残っているが、従業員15人程度の会社は消えてすでにない。

JA7SSB氏設計のマイクコンプレッサー基板(HJ 掲載基板)を大町市のプリント基板製作会社にお願いしたのが32年前。松下通信工業の下請けで、そこそこ売上があった会社だった。 今は無い。

・PCBWAY は 早い。中1日でshippingしてくる。手配後、5~6日目には手元に届く。色は綺麗。半田あげは微妙に粗い。feeとして3ドル必要。10枚オーダーで10枚丁度、時折11枚で届く。FedExなので政局に影響されることなく飛行機は飛ぶ。

・ELECROW.  中4~5日で発送。手配後8~9日で届く。10枚オーダーでも13枚ほど納品してくる。feeはない。ポイントがマルツのように溜まるので、充分お徳だ。 初回オーダー時には5ドル相当のポイントをくれる。OCSは日本の会社なので、中国の政局の影響を受ける。時々中国当局からの嫌がらせで荷物を積み込みできなくなる。それが今年2回あった。関西空港が水没した折には10日間ほど国内で足止めした。

・結論: 急ぎはPCBWAY(航空会社起因の遅延はない),   お徳さではELECROW.

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・プリント基板では、ベタアースが推奨されることが多いが、case by caseだろう。mic-compものでSNを上げたければ一筆書きのアースラインにすること。

MWでは広いランドだとSNが落ちるので注意。ノイズを拾う面積が広いと明確に不利だ。拾ったノイズエネルギーを捨てる必要がある。拾うノイズの大小まで考えてpcb化しなきゃならん。

ノイズがまあまあ上がってこない3.5MHzあたりから、そろりそろりとベタアースかな?。 オイラ的には100MHzあたりからベタだろうと思う。

TA2011S初期回路をあげておく。自作参考にどうぞ。  

TA2011A.pdfをダウンロード

他の回路

2018年10月24日 (水)

マイクコンプレッサー 自作回路、。SA2011, TA2011.

ケンプロKP-12Aと同様なものをお探しならば、別記事です。

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マイクコンプレッサー の回路図は 2018年5月からここに公開してある。TA2011或いはSA2011の回路ではある。

・制御方式では「フィードバック」になるので時間的遅れが話題になる。テレコ用ICなので、それなりになる。

・この遅れを嫌うなら、フィードフォアード制御になる。日本で発表されたフィードフォアード制御はJA1BLV 関根OMによるものだけだ。「自称フィードフォアード制御」もCQ誌上で散見されるが「遅延するデバイスを使いつつ、フィードフォアード式と謳う」ので、論理的に破綻している。フィードバック制御の範疇で藻掻いているだけだ。

・amature radio 用リミッテイング アンプと呼ばれている回路をみるとリミッティングされていない。短時間尖波形には応答できずに通り抜ける。プロユースは2μ秒程度の短信号まではリミットしていようだ。聴覚では100μ秒信号も区別できるらしいので,回路設計としては10μ秒信号をリミットできてリミッテイング アンプの仲間入りらしい。

・「ssb TX 調整にはスイッチングされたAF波形を使う」ことが好ましいとJA1BLV 関根OMは刊行本中で述べている。このsiteに訪れた方ならば、その理由は判るだろう。 

compについては ここに考察をまとめてある。 

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英国海軍向けのデバイス SL6270も具合良いデバイスだ。通信用に開発されたので、テレコ用のTA2011とは性能が違う。基板はここに開発済み。

Sl003

 

Sl005

2018年4月 8日 (日)

マイクコンプレッサーキット(自作派むけ)。AN829,SSM2166,NJM2783,TDA1054,SSM2165   それにTA2011

マイクコンプレッサーを大別すると

1,「FL101で国内初採用されたと同様なRFタイプ」(自作基板はRK-84,RK-95) :市販品はKP-12,KP-12A、KP-60、KP-121 等 

2, 「audio周波数で制御したもの」。

・上記2の自作キットについて記する。 使用デバイスで音色が異なるので、「パイルアップ用と 通常用」の2つは用意したいですね。

◇性能を重視するならば SSM2165,SSM2166 .

◇性能が最下位でよければTA2011.

◇音が判る方にはAN829 。部品数がややあるので上級向け。

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mic-compキット。

 
 

1 ,AN829キット。

「1978年には使用レポートがJA1BLV関根OMから公開されていた」歴史の古いデバイスです。性能は非常によい。SSM2166やNIM2783のような軽薄な音にはならない。デバイスが異なると音色も違う一例。 「音が判る方向け」の基板です。 調整しだいで30dB超えでCOMPできるが、それはやりすぎ。

 

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YouTube: mic-comp using an829,panasonic

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2, SSM2166キット。

「次のSSOP14(NJM2783)の半田付けはちょっとレベルが高いなあ」と想う方々には、SSM2166.

性能はこちらの方がよい。 「ICが1200円する」のがやや難点。 高い為りに性能はかなり優秀。 

003

 このキット品は終了ですが、基板ならまだ数枚あります。現在も製造しているコンプレッサICでは一番良好な性能。米国ではメ-カーから「SSM2166+イコライザー」の製品が3万円~5万円程度でいまも製造販売中。自作ならその1/10程度で済む。

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3, NJM2783キット

日本製デバイスにしては応答は速いが、SSMシリーズにくらべて100倍近く遅い。

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 半田実装はやや技術が求められるが 0402よりは楽だ。 アマチュア無線技士で半田実装できる人は数人??だろう。アマチュア無線通信士が主流だ。

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4, TA2011Sキット。

造り易さで人気があるが、性能はそれなり(最下位)。 どのように工夫してもアタックの遅れによるスパイク波形が確認できる。 

011_2

共にyahooに出品中。

基板はサトー電気にもある・

Ans01

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5,   TDA1054 kit 

テレコICを利用した基板。 増幅した信号をNFBとして戻しゲインを自動で下げるIC。日本製テレコICとはコンセプトが異なる。 NFBによってCOMP時の歪は随分と減る。

RK-158.    造り易い

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YouTube: tda1054 today state.

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6,active clipper (4558 +diode)

RK-162

造り易さ重視。

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YouTube: mic amp using diode clipper . Sounds naturally.

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7,  AFスピーチプロセッサー(アクティブリミッター)

RK-110。 音声信号をシンプルにTA7061でリミッティングしています。(KP-12AのAF版イメージです)

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Ans01

 

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8, SSM2165 KIT


YouTube: DIY :mic-comp using SSM2165

Rk16801

Ssm2165

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P1010022

Ssm2165attack

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KITでない基板は、

RF スピーチプロセッサー基板も開発済み。クリスタルフィルタを使わないので、高域カットもないので ずばりAM向き。入力3mVでフルコンプになる。

rf speech processor. using ta7061. filter-less
YouTube: rf speech processor. using ta7061. filter-less


YouTube: DIY :mic-comp using SSM2165

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KP-12の基板不動だったのを入手したので、置き換えた例。フィルタレスなので音は良い。

AM向け。入力3mVでフルコンプになる。


YouTube: Rf speech processor: kp-12 is rebuilt . one make p.c.b

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KP-12Aの不動品を入手して修理した例。入力3mVでフルコンプになる。フイルタにより音域が狭くAMには不向き、SSB用になっている。


YouTube: 不動のspeech processor KP-12Aを直してみた。その2

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マイクコンプレッサー一覧はここ

2018年4月 5日 (木)

マイクコンプレッサー基板(TA2011)のブロック図。

マイクコンプレッサーのブロック構成。データシートをみるとTA2011Sはそのままだと3.5mV近傍からCOMPスタートさせる作動が推奨作動らしい。

オイラの作動確認では SSM2166では1.5mV。    NJM2783も1.5mV近傍からCOMPスタートなので1段増幅(8dB)をTA2011Sの前に入れ、1.5mV近傍でCOMPスタートするように工夫した。 時定数も推奨値とは異なる。

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5dBほど掛かる作動具合は、動画のようになった。


YouTube: MIC-COMP ,useing TA2011s

オイラの記憶通りなら、アマチュア向けでは50年前からCOMP6dB程度が指針とされてきたと想う。業務用機器は性能も優秀だが価格もそれ相応になる。

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このコンプレッサー基板(TA2011)は基板ナンバーRK-15になる。COMPスタートは「固定R11 または VRによる可変」をジャンパーソケットで選択できる。R11が回路図値だと1.5mV近傍でCOMPスタートになる。ブロック図で示すように2SC1815の増幅度を上げると もっと小さい信号でCOMPスタートになる。

出品中の商品はこちら

2018年3月30日 (金)

TA2011Sをマイクコンプレッサーに使おう。部品レイアウト。

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昨日の此れ此処で紹介したように程よい感じでCOMPできたTA2011基板のレイアウト図を上げておく。(メーター回路あり)

RFストッパー⇒TA2011S⇒LPF(3.4KC)⇒OUT

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COMPスタート点は、R11の値で変えられる。 これを可変抵抗にすれば使いやすくはなるが、MICからの信号レベルが判っていないと、COMP過多の音になる。 少なくともMICからの信号レベルは実測して、程よくCOMPが掛かる値にしてほしい。(オシロで読むと苦しいので VTVMで確認推奨)

人気あるALC IC のNJM2783の場合、データシートによれば1.5mV近傍からCOMPスタートなので、このTA2011基板R11=3.3KΩだとそれ(NJM2783)に近い動作になる。(無測定器時の目安にはなるだろう)

TA2011は祐徳電子さんで継続販売中。すでに製造終了なので必要な方はお早めに、、、、。


YouTube: MIC-COMP ,useing TA2011s

COMPーMETERの振れ具合


YouTube: COMP-METER,USEING TA2011

LOW NOISEの2SC1815Lはsold outだった。 ローノイズのTRは入荷難しいので次ロットが手に入るかどうかだ、、。

◇NJM2783の動作例もあげておく。 (基板ナンバーRK-14)


YouTube: Useing NJM2783 , mic-comp P.C.B

自作マイクコンプレッサーの第3弾でした。

第1弾第2弾のP,C.B基板。

2018年3月29日 (木)

東芝IC, TA2011Sをマイクコンプレッサーに使おう。通電し動画で作動確認。

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 ◇前記のようにメーターも振れたので、 アタックタイム(入力小⇒大)の確認をしたいが、信号源と測定器のトリガーの掛け合いがオイラには難しいので、COMPが掛かかり出す少し上の信号強さの方形波を入れてみることにした。

 上のラインがta2011sの出力。下のラインが基板への入力(オシロは1目盛り5mV)

 データシートでは「立ち上がりの遅れ0.05秒(50ms)」とあるので、何かそれらしいものがあるか? or ないか?

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増幅段数に応じて相が廻るので180度あるいは360度の時間差は発生し、さらに50msほど遅れた何かを見つけたいな。 入力レベルは十二分にcompが掛かるレベル量の6倍強さ。立ち上がりはやや遅れるが立下りの遅れは弱い。横軸1目盛り1msなので、上写真の立ち上がりの遅れは1目盛り(1ms)もない。 

あまりも出来すぎだが簡便な計測方法としてはこれしか思いつかない。

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下写真では、Cによる放電時間の影響は10μ秒あるかないか程度。充電時で50μ秒(0.05m秒?)

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この方法では 確認したいものが判らない。 すでにデータシートとは異なる時定数にしてしまったからだろうか??

◇ もういちどcompスタート点を確認する。

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入力1.5mV近傍から出力(黒指針)が停止する。

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3mVも入ればしっかりCOMP状態だ。

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上のように1.5mV近傍の信号INでCOMPするのがわかったので、音を入れて耳で聞いてみる。

VTVMの針の動きをみるとCOMPしているのが判る。 赤指針(入力)が大きくて右に振れても黒指針(出力)がほぼ中央までしかいかない。この値の差がCOMP量になる。


YouTube: MIC-COMP ,useing TA2011s


YouTube: COMP-METER,USEING TA2011

◇ 「さほど違和感なくCOMPが掛かっている]のが判れば幸いだ。

通算244作目。

データシートと同様に、compスタート点を固定抵抗にしたのが本基板。 外部VRで可変したい場合には回路図中のR11をVR20KBに換えればOK.

上記のように TA2011S基板はCOMPが掛かりメーターも振れる。時定数をデータシートとは異なるようにしたが、データシート通りに製作したい方も居られるだろう。、、、とそれ用の取り付け穴は残しておく。

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データシートには「立ち上がりの遅れが50msある」旨が明示されているが、往時のセンサーの応答時間だと「信号in⇒out」で3ms程度は必要だったので、 入力信号の検出遅れについての疑念は非常に残る。ハイスピードカメラでの撮像も 誉められたようなものでは無かった。

東芝IC, TA2011Sをマイクコンプレッサーに使おう。通電し作動確認。

 


YouTube: 「レフレックス+再生」式 単球ラジオ。

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人気のあったTA2011Sが市場から消えつつあるがサトー電気にはまだ在庫がある。

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回路はWEB上で時定数に言及したものを踏襲してみた。 「データシート記載の嘘」にいつも苦労しているので、今回もWEB上の情報は話半分で、「其の通りならば幸運」程度でスタート。

回路は、

1,RF廻り込み対策の「LPF+フェライトビーズ」

2,TA2011S後段にLPF(F=3.3KC)

3,メーター回路

端的には、NJM2783回路基板を、NJM2783⇒TA2011Sに置換したものになった。。

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  ◇通電すると波形が出た。

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◇ COMPが掛かり出す入力(出力)を見ていくと、方形波形になって明らかな歪み点でCOMPスタートになった。(下写真の左側)。この動作が標準らしい。  

信号を弱めるといきなり出力がガツンと減る。 所謂シャックリ状態になることが判った。 、、とCOMPスタート点、アタックタイム、リカバータイムの見直しも必要らしい。

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◇データシートの推奨回路上の「とある抵抗」を不使用にすればCOMP中も波形歪みが軽くてすむことに気ついた。メーカーの推奨回路のままじゃ駄目らしいことも判った。

下写真の左側波形が出力。入力量がCOMPスタート点より大きければ、おおよそ0.5V位のOUTで一定になる。

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このように歪み少なく使うのがよいように想う。(データシート推奨回路だと方形になった)

◇メーターも振らしてみた。

おお、そこそこ振れる。

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続きます。

2017年11月 4日 (土)

スピーチプロセッサー 考。「KP-12等 クリッパー方式」 VS「自動ゲインコントロール方式」

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スタンバイビーの基板はこれ。アポロのような音になる。RK-112.

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前鳴りを追加したのがRK-133.

「前鳴り+後鳴り」スタンバイビー。

スタンバイビー :前鳴り 確認
YouTube: スタンバイビー :前鳴り 確認

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スピーチプロセッサー、マイクコンプレッサー等で呼称されているが、商品登録上から呼称が派生しているのもあるので、大まかに整理してみる。通信向け限定で考える。

業務用では過変調による電波質低下を防ぐことが主眼とされている。AM/FM放送では音声周波数を帯域ごとに分離して処理されている。察するに幾つかつの帯域に分けているらしい。amラジオ放送局では東芝、三菱が良いと聞く。 FMラジオ放送局では海外製品だけが使用されている。

ここではHAM RADIO向けに考察する。 プロ仕様との差異及び本内容を掘り下げたピークカット等の考察はここにて更新中

1,制御方式

①フィードバック式 :市販品のほぼ100%はこの方式。時間遅れの制御ゆえに応答時間の長短が話題になる。有名な放送局仕様品もこの方式。

②フィードフォアード式:自作記事として日本では1作例のみ公知されている。それはJA1BLV氏の寄稿によるham journal誌。オイラもここで実験済み。リードタイムは概ね確定した。

      他者の手による自称フィードフォアード式の記事はCQ誌に記載あるが、作品中ダイオードの時間遅れの考察もなく奇怪だ。

2,圧縮方式

①出力上限有方式 :ダイオードリミッターにみられるように上限あり。

   Ⅰ、ダイオードによるリミッター  ⇒クリップ波形の除去をどうするのか?

  Ⅱ、自動ゲインコントロール   ⇒綺麗な波形で上限制限できるicが多い。SL6270,SSM2215,SM2166、NJ2783.

②出力上限無方式 :コンパイダーIC採用では上限なし。過変調を防止できないので通信向けではない。また現瞬間流通しているコンパンダーICはSN50~60dB(SPEC上)と見事に低いので、コンパンダー方式であればOP-AMPで構成する必要がある。

 

3,処理周波数

①AF :プロ仕様はこれ。

②RF  :ケンプロKP-12等。国産機初ではFL-101に搭載された。これを見て後発のトリオが頑張ったことは有名。

4、使用デバイス

①プロ仕様品は、 オペアンプで構成。 専用ICは不使用。

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アマチュア無線局向けにコンプレッサーの基本を解説した書として、「1976-11 臨時増刊」は読んでおくべきだ。詳細に書かれており後続でもこれを超えるものはないだろう。455メカフィルタでのARA回路も紹介されている。

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一番左の(A)が望まれるSSB波形。 右に行くほど質が劣る。

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SSBではこの程度の波形が要求される。

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実際に製作するにあたり回路参考として、スピーチプロセッサーの製作記事の掲載本(入手しやすい)として、以下2冊は持っていたほうがよいだろう。

左のは「JA7SSB氏製作のハーモニックスピーチプロセッサー」の記事があり、これが日本で初めてのエンベロープ成分を考慮した製作記事だ。刺激を受けて高校の先輩に頼んでプリント基板製作会社にプリント基板を3枚興してもらい、その内1枚でオイラも自作した。往時は大町市内に1社・松川村に1社、計2社のプリント基板製作会社が大町・北安曇があった。エルナーが元気だった頃のお話。

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FL-101のスピーチプロセッサーは別途、紹介記事がある。

①クリッパー方式

クリッパー方式は真空管全盛期でも充分に採用されており、「2極管をつかったクリッパー(制限増幅器でない方式)搭載したAM送信機製作記事」はCQ誌に掲載ある。AFでのクリッパー製作は簡単なので、現代風には「トランジスタ2個+ダイオード2個」で自作できる。音声500Hzの2次・3次・4次・5次の歪はSSBの音声帯域内にしっかりと残る。正確に述べると帯域内歪の除去方法(簡便)はない。 音声周波数の歪除去に サンスイ等の小型トランスを用いると心持改善される。

ケンプロのKP-12はこのクリッピング方式をRFで行なっている。ダイオードでクリップさせているので、スピーチプロセッサーでは無く 「RFクリッパー」だろうと、、。広告には「クリッピング開始入力は2mVrms以下」と明示されている。

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KP-12は上記のように24,000円だった。クリッパーなので波形は綺麗ではない。副次の歪も発生する。高次歪は水晶フィルターで遮断する方式。群遅延特性を考慮するとフィルターレスのRFタイプに軍配があがる。

「入力0.02mVあたりからの特性が載っているが、この微小をどうやって測ったのか?」ってがオイラの興味。

「ハム局アクセサリー製作」には、AFクリッパーの製作が載っている。高次歪はAFのLPFで減衰させる。このAF方式では500Hz等の低めの音声信号の2次、3次歪等は音声帯域内に残り無線機を通じて放出される。

積極的に歪んで使う前提ゆえに音質を気にしてはダメだ。 音声帯域内の残った「高次歪み」プラス「歪んだやや耳障りな音質」によってパイルUPを抜け出すのも手立ての一つである。

KP-12はダイオード利用であったが、後継種KP-12Aでは、FM-IFリミッター用ICで作動させている。

自動ゲインコントロール方式

放送局においては、 クリッパー方式でなく、「自動ゲインコントロール方式」が採用されていた。 おそらく現行もそのままだと想う。 幾つかのメーカー製品がWEB上でも見つかる。値段もわかるんじゃないかな? 。放送局向けのプロ製品は簡単には検索で見つからない。

メーカー製品の心臓部中身がトランジスタ構成とは思えないので、量産型ICが載っているだろう。その量産型ICの型式を探るのも手立ての一つだ。市場が狭いので10万個とか50万個のIC製造で終わりのようにも思う。 業界では制限増幅器とよばれ、応答時間が数ms程度で設定されているようだ。 その辺りは放送局の音声担当プロにお聴きするのが正しい。放送局と云えば東芝のテレトリーだ。FM局では日本製はマイナーだと某放送局の役員から直聴きした。

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 以下、9作例 マイクコンプレッサー(自動ゲインコントロール式)とスピーチプロセッサーを自作した。皆、KP-12同様に2mV入力以下でCOMP開始する。COMP開始点より大きな入力はすべてCOMPされるので、計測上COMP100%も可能だ。 程よく「上手な使い方」でお願いします。

 お薦めとして、ジャパーンと叫びたい方にはSSM2165、SSM2166。落ち着いた大人向けにはAN829。半田つけ初心者向にはTA2011.

製作順に

①SSM2166(アナログデバイス)  基板キット。 2017年10月  製作記事

comp開始点(1.3mV入力)の80倍である100mV入力にも追従するので COMP量は34dB?

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②NJM2783(JRC)  2018年3月25日 製作 

秋月でMJM2753を扱い出したのは2019年10月29日。 オイラの基板を入手したおっさんが泣きついて取り扱うようになった。以後製作記事が急増した。

これもCOMP量は30dB以上取れる。データシートによると「時間遅れ」に対してまあ平均的なIC.

SSM2165,SSM2166が最高速で応答するので、 njm2783はその性能にまで到達していない。

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③TA2011S(東芝)  2018年3月29日  製作

DIP7なので最も半田しやすいし、最も廉価だ。

WEB上で云われるほどは悪くない。おそらく時定数を的確に選べないことをICのせいにしている可能性が強い。 動画のように違和感を感じ難い。概ね5dBほどCOMP動作させたのがこの動画。

MIC-COMP ,useing TA2011s
YouTube: MIC-COMP ,useing TA2011s

COMP量は30dB以上とれる。

④ 軍用IC   [voice operated gain adjusting device]の SL6270.

英国海軍での実績評価が高い SL6270。 軍用で開発され現在も入手しやすいICだ。

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性能は優秀。

⑤ スピーチプロセッサ : AF。 RK-47

日米英のamature radio でスピーチプロセッサと呼ばれるが、回路はactive clipperそのもの。ダイオードリミッター。

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制御回路レスにて 応答時間はデバイス性能に依存し現行ICでは1μ秒と高速だ。clipperなのでcomp動作はしない。

⑥ AN829  RK-56

非常に良い。 自然な感じでCOMPする。

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An82911

An82912

mic-comp    using an829,panasonic
YouTube: mic-comp using an829,panasonic

⑦ 

 RF式スピーチプロセッサー。製作記事はこれ

KP-12Aと同様にTA7061でプロセッシングさせている。KENPROよりも小信号から作動する。

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RFスピーチプロセッサーの試作中:COMP具合の確認
YouTube: RFスピーチプロセッサーの試作中:COMP具合の確認

基板ナンバー RK-84。

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RFスピーチプロセッサー:自作の音。

基板はサトー電気にて。RK-95

rf speech processor. using ta7061. filter-less
YouTube: rf speech processor. using ta7061. filter-less

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上述RK-95をKENPRO KP-12に置換してみた。

Rf  speech processor:   kp-12 is  rebuilt .  one make p.c.b
YouTube: Rf speech processor: kp-12 is rebuilt . one make p.c.b

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AF スピーチプロセッサー。RK-110

AFでリミッターICを使ったもの。 初心者向け。

TDA1054.

抑え込みは優秀。 テレコICであるがTA2011より優れている。COMP上限は30dBほど。

tda1054  today state.
YouTube: tda1054 today state.

アタックタイムが非常に優秀なSSM2165. DIP品なのでSSM2166に比べて自作しやすい。

COMP上限は30dBほど。NJM2783の応答遅れが判る方向け。

DIY :mic-comp using SSM2165
YouTube: DIY :mic-comp using SSM2165

Ans01

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