2球でスピーカーを鳴らそう作戦です。
形には成りました。
回路は、
「真空管レフレックス・ラジオ実践製作ガイド 」を
2球でスピーカーを鳴らそう作戦です。
真空管の構成は「6EW6+6EW6」の構成(当初は6EW6⇒6AQ5でした)です。
手元に、ボケて6BA6程度の増幅しかできない6EW6が沢山あります。
(6AU6も10本ほどあって、日の目を見ていません)
6EW6を新古品で入手したり、中古で入手しましたが、活きのよいのは3本でした。
(活きの良いのは、大切に保管しておきます)。
活きが良いかどうかは、3S-STDに挿して、SSG+バルボルで確認してます。
球は6CB6,6BZ6,6DK6 或いは、6AU6,6BA6,6BD6などが
そのまま挿せますが、レフ部は「ボケた6EW6」以外はあまりゲインが取れません。
球種(個体差含む)ごとの適正なSg電圧がありそうです。(当たり前ですね)
実際に、電源OFF時の波形をみると6EW6でもかなりの個体差が判ります。
AF段は、6BA6がゲインが低くて、丁度よい感じです。
(ゲインが低くて、GOODっても妙ですね)
規格表では、
6EW6 上限P電圧 330V ,Sg上限電圧330v,g1は上限0v。
参考にしたのは、
「真空管レフレックス・ラジオ実践製作ガイド」のP151
①
アンテナコイル以外は、全くおなじ構成で、最初は本通りに
「6EW6+6AQ5」で造りましたが、SSGで信号いれてもOUTが弱かったです。
(バルボル読み)
そこで、少しでもゲインがほしくて、AF段も6EW6にしました。
ともにカソード抵抗75Ω、バイパスコンデンサ-470μF.
VRのカップリングは0.01μF。
①ラジオ少年のoutトランス(10KΩ)だと
ゲインのピーク(+20db)が42Khz周辺にあって、
600Hz付近ですとゲインはゼロでした。
(超音波増幅器になってました)
②東栄さんの12KΩトランスですと、ピークは22Khz周辺で
やはり400hz付近でゼロゲインです。
(まだ超音波増幅器です)
③ラジオ少年の20KΩトランスですと
2.2Khz周辺がゲインピークで+8dbでした。(バルボル読み)
(可聴アンプとして動作してます)
④、「①」の状態で 内部抵抗の小さい
6AU6や6AR5に変えても ピーク周波数は変わらず
そのまま超音波領域にありましたので、
「周波数特性はOUTトランスにとても依存する」
ことが判りました。
(周波数特性を左右するモノはコイル系しかないですから)
ここまで、ようやくわかったところです。
紅いトランスの20KΩ。心強い見方です。
黒いのは、100Hチョーク。これも強力に効果ありました。(大き過ぎました)
②
レフ部の負荷は150KΩの抵抗だと、球に高圧がかからずゲインが取れません。
セオリー通りにチョーク負荷にしました。
ラジオ少年の100H(型式CH-5)を使用しました。
150KΩ抵抗⇔100Hチョークの差は、バルボル読みで3レンジもありました。
抵抗負荷で弱くしか聞えない方は、
セオリー通りにチョーク負荷にすることを薦めます。
ただし、SSGの変調を400Hzと1Khzで切り替えると、
400Hzの方が4dbほどoutよいです。
通常は「低域はダレル」のですが、
チョーク負荷ですと持ち上がっていました。
イコライザーで下を持ち上げた感じに似てます。
聴感上300Hz~400Hzの領域が耳につきます。
「何故そうなるのか?」は、これから考えます。
低域のゲイン過多で、AFが6EW6ですとハウリングします。
6BA6ですとセーフです。
電源のリップルも信号ラインに乗ってきてます。(これは、課題でただいま思案中です)
とりあえず、6BA6だとリップル音も気にならないので、
6BA6で鳴らしてます。(暫定)
NHKを聞きながら、バルボル読みするとS/Nが25位であまりよくないです。(課題中です)
3S-STDのリップルはVRと無縁なので、、、。
ヒータを直流点灯しても、効果ないです。(ええ、信号ラインに乗ってます)。
③
検波部のベスト時定数をまだ見つけていません。
2球ですが、NHKと民放は室内アンテナ無しで普通に聞えます。
ラジオ塔から35Km離れており、鉄筋住まいの田舎です。
球数が少ない分、3球スーパより、やや耳が悪いです。
信号がリップルに消されています。
↑NHKラジオの波形。SP端子点で、測ってます。
(音声にリップルがのっています)
バルボルの黒針が見えますでしょうか、、、。
この位の電圧は出てます。
Ⅰ、追記 2011,OCT,8th
①低域ブーストの件。
高周波チョークと100Hの接続部から信号を取り出すので、
LPFがしっかり形成されてます。
数値解析をする頭脳がありませんので、
レフレックス部の真空管のバイパスコンデンサーを10μFまで減らしました。
効果なし。
(落ちついて考えたら、カソード抵抗は75Ωと低いので
バイパスコンに期待するのは間違いでした)
カップリングコンデンサーで下げたいので、部品調達中。
②高周波チョークを大きくすれば、よい結果がでるのかと期待しつつ
56mHに換装してみましたが,ゲインは逆に10dbほどさがります。
30mHも大きすぎてゲインさがります。
8mH(4mHx2)にしてみたら、1dbほど上がりました。(改善効果は弱いです)
そのようなわけで、高周波チョークも適正値があることがわかりました。
③4mHの後ろの47pFは、リップル音対策を進めた結果です。(LPFですから、、。)
(102⇒47pFに減ってます)
④このラジオでは、「ボケた6EW6」を2本使っています。
3S-STDに挿して、活きの良い6DK6(9800モー)よりも、
ゲインが出ないことを確認して使っています。(バルボル読みで1レンジ下です).。
「ボケた6EW6」+「6BA6」で鳴っていますので、
球の合計モー値が概ね20000あれば、
おじさんの環境でもスピーカーを鳴らせることが判りました。
⑤ゲインを稼ぐ上で、
6DK6,6EH8,6EW6ではカソード値のベストな数値があります。(経験済み)
6EW6の規格表の特性を見ると、カソード抵抗を下げれば下がるほど
ゲインが上がりそうでしたので、カソード抵抗を39Ωまで減らすとゲインはさがりました。
この6EW6のゲインピークは、68Ω~75Ωでした。
⑥先人達の知恵で、「OUTトランスの共振点は可聴帯域外」にさせて
「HPFの役目もさせている?」のだろうと考えていましたが、
実験で、東栄OUTトランスの1次側を12K⇒10K⇒7Kと下げていっても
リップル低減しませんでした。 トランス共振点の謎は深まったままです。
まだ実験中です。←リップル。
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2球でスピーカーを鳴らそう作戦です。
「チョーク100H」って、1Khzではかなりの抵抗値になります。
(落ち着いて計算したら、そりゃhi-cutになる訳です)
手元に小さいチョークがないので、昼間YAHOOで落札しました。
届くのは 休み明けです。
で、20KΩのトランスの1次側をチョークにして見ました。
計算では3H/1Khzです。(間違ってたら、すみません)。
SSGからの信号(400Hz変調)では、3H と100Hの出力は同じでした。
バルボル読みでも3Hの方が、S/Nがベターです。
3H時の400Hz変調と1Khz変調のout差は1db弱です。
(改善されてますが、低域強調のままです)
しかし、まだリップル音があるので、CRのHPFを加えてあります。
↑強い見方だった100Hチョーク。波形は昨日より良くなりました。
いやあ、、、シャーシは穴凹です。
プレート負荷のチョークも最適値がありそうですね。
3Hよりも小さい方が、ベターな感じです。
追記 2011,10,9th AM7:50
上記のように、小さい方がベターな感じでしたので、CRのフィルター有りの状態で
①仮配線で、 東栄さんの10kΩトランスをチョークにしてみました。(もったいないです)
SSGのINで4db感度さがりました。
しかし、20Kトランス(チョーク)では、リップル音に埋もれて聞きにくいラジオ局が
東栄さんの10Kトランス(チョーク)で聞えます。
RS43 とRS52の違いと表現すれば、よろしいでしょうか、、、。
②本配線で10kΩトランス(ラジオ少年製)に変えたら、RS32になりました。
ヘンリー値だけでは、決められない「何かが」ありますね。
③では、「どちらを選択するのか?」状態です。
チョークを小さくしたら、CRフィルターの効果がわかるようになります。
SSGの400Hz変調と1Khz変調では、400hz<<1khzのoutです。
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2球でスピーカーを鳴らそう作戦です。
ここまでで、思考錯誤の結果、
真空管式レフレックスラジオでは、「プレート負荷の取り出し方法」が
ゲイン面も、音質面からも一番のポイントになることが判りました。
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①ゲインを稼ぐためには、チョーク負荷で取り出す。
②チョークは100Hが一番出力がとれて、ヘンリーが減るに応じて出力も減る。
(当たり前だ、、、と怒られそうです。200Hならもっと出る??)
③チョーク負荷は低域を持ち上げるので、大きいとリップル音も大きく聞える。
④したがって、リップル音と出力のバランスを見て、適正な(好み??)チョーク値を選ぶ。
(メーカーによる音の差がでます)
⑤出力トランスも周波数特性をもっていて、
「可聴帯域外にピークを有しているもの」と「可聴帯域内にピークを有するもの」があるので
上手く使い分ける。
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こんな思考経過です。
100Hのチョークと10KΩトランス(チョークにて使用)では、バルボル読みで4dbは違います。
「レフックスの検波定数」を触るより、「チョーク選びの方」が聞え方に差がでます。
いい勉強をさせてもらいました。
↑最終形態です。
(2011/10/16に再び 変わりました)
チョークを10Kトランスにしたら、
出力は、SSGの「400HZ変調<<1KHZ変調」になりました。
CRのHPFなしでも、「400HZ変調<<1KHZ変調」です。
CRのHPF、20Kトランスには、効果判らずでした。(すみません)
MW帯のゲイン差は10dbあります。
530khzくらいがピークで、上側がマイナスして行きます。
アンテナコイルをどう動かしても、下側がピークになってます。
再生式ですと、ゲインピークは動くのですが、
この2球式レフレックスは動いてくれません。(また謎が増えました)
NHK第一は、ガンガン鳴ってます。補助アンテナ不要です。
球を6AU6に差し換えたら、補助アンテナほしくなりました。
6AU6なら20Kトランス(チョーク)が、合っていそうな感じです。
追記
2011,Oct,9th,22:00
プレート負荷をチョークにすると、
いまのところ「リップル音」からは逃げれません。
昔は、こんな音で聞いていたんだろうなあ、、、。
追記
2011,Oct,10th,9:00
↑回路。
2球でスピーカーを鳴らそう作戦です。
2球式 レフレックスラジオ (6EW6+6EW6)の+BをAVR化しました。
最初は、2SA△△を入れたら、リップルブースタになりました。(原因不明)
で、2SD1409に換装して、リップル音は減りました。(10cm spにて)
VRのMINで、バルボル値は変わりません。
波形面では、変わったかどうか、、。聴感上では下がっており、
10cmSPで鳴らすと、リップル音は判り難いです。
3wayのsp boxで鳴らすと、ダメです。広域のシャー音が前面にでます。
このシャー音、3端子regに似た音です。
手持ちの10cmSPでなら、普通に聞える音にはようやく成りました。(贔屓めに見てます)
ツェナーDiは、36Vx6+27Vの構成です。
2011/NOV/5追記
秋月の、「LOWカットのスピーカー」を選んだら、シャー音は消えました。
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2球でスピーカーを鳴らそう作戦です。
YAHOOにて、トランスを調達しました。
「1:3」との事でしたが、テスターでΩを測ると1:9位です。(270Ω:2500Ω)
昇圧比は高い方が助かります。
1次側のヘンリー値も少ない方が,「低域ブーストから逃げれる方向」に働きますね。
100Hチョークが3.54KΩ。
「トランス10KΩ:8Ω」が340Ωなので、現用のトランス(チョーク)よりは
ヘンリー値が小さそうなのが、推測できます。
↑購入したトランス。
右が購入のまま。左のように、天側に端子を振り直しました。
NHK第一を受信中。SP端でのバルボル読みは0.1V位。
現行のチョーク(トランス10KΩ:8Ω)⇒「1:3」トランスに換装して14dbほどup。
音量面では充分です。(3S-STDより大きな音出せます)
受信中、「1:3」トランスの2次側をバルボルで見ていると、ピークで0.7Vまでは振れてました。
AF段のバイアスは-1.5V~2Vが良さそうです。(レフ部のゲインを下げるのが正しい??)
リップル音は、依然として付いてきます。
AVRの後に、RCの平滑をもう1段追加しました。もうスペースが苦しいです。
3wayのSPで鳴らす音には、遠いです。
手持ちの10cmSPで聞きます。(高域も低域も音圧が取れないSPが、ベターです)
ここまで実験してきましたが、
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検波後は、トランス負荷でAFに引き渡すのが、一番効率がよいですね。
(圧倒的にグッドです。)
トランス負荷(チョーク負荷)ですと、電源のリップルにとても敏感なので
平滑回路はCR2段程度ではダメですね。リップルを引き込むイメージに近いです。
(3S-STDは,いま4段にしてあります)
AVRも高音の広域ノイズを有するので、
何か工夫がないとノイズに埋もれた信号を聞くことになります。
(2011/NOV/5追記
秋月から購入したSPで聴くと、シャー音も減るので、リップルの高調波のようです。)
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この2球レフレックスでは、よい実験をさせてもらいました。
追記2011/Oct/17th
造れば判りますが、補助アンテナは不要です。
見てくれが悪いので、自分の机の上で鳴らしてます。
2011/NOV/07 追記
SSGから1Khz変調の入力↓
SSGから400Hz変調の入力↓
これだけ、低域が持ち上がってます。
雑誌には、このような特性情報が載っていないのが、大変不思議です。
レフ部のプレートから見て、インダクター負荷はLPFを形成していますね。
(盛り上がり方がキツイです)
去年初めて作った再生式ラジオ(チョーク負荷)でも、
聴感上、低域が持ち上がっていたので、「変だなあ」とは想ってました。
こうやって波形で確認しつつ、
回路図を眺めると、LPFになっているのが理解できました。
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追記 2012/Feb/26
アイドル状態(無信号状態)↑の初段バイアス電圧。
同調時。↑0.05Vくらいの変化。
シャープカット球って、こういう挙動の球だと想っています。
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追記 2012/Mar/3
AF段のトランス負荷(インダクター負荷)は、
負荷そのものの固有共振周波数に左右され,
ハイブースト 或は ローブーストになることが判りました。
並列共振時は、ハイインピーダンスに成るためですね。
YouTube: 再生式はいぶりっどラジオ 1-V-2 デジタル表示
YouTube: AM transmitter ,using mc1496.
YouTube: ロクタル管自作ラジオで youtubeを聴く
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・SSGからの信号を電波で飛ばす方法についてお問い合わせを多数いただいたのでご紹介しておく。あちこちのwebを見ると修理する側のクオリティが随分と落ちている。
・業務でラジオ/テレコ修理を経験してこない素人が、エンジニアのマネで修理しているのが大多数の時代になり、「修理技術者もどき?」が幅を利かせているので、基本すぎるがあえてupしておく。掲示板で 当該ラジオ型式の修理方法のやりとりをして、掲示板での指示通りに修理したラジオを「さも己が直したようにしyahoo出品している様」をリアルにみてその経緯を知っていると 新しい分野のパロディに充分見える。「自力で直すチカラがなく他人に頼ってでも、小銭を稼ぎたい」とは日本人としてどうなのかな ??
・掲示板の指示に従って直されたラジオを手に入れた方は、該当掲示板でのやりとりを知ってどう思うかな?
・昭和35年の雑誌広告を撮像した。概ね56年前のことので当時10代のラジオ少年だったならば当然知っている内容だ。 現在30代ならば覚えておいたほうがよい。
・webをみるとプロの修理者は2人だけ居る。後は「モドキ」だろう。
*********************
基本をひとつ。 低周波発振器の出口は、インピーダンス600オーム。アッテネータも600オーム。VTVMも600オーム。 この詳細はJIS参照。
オシロの入口は50オームと云うことは低周波信号の波形を50オーム(オシロ)で直接観測するのは間違い。オシロ波高をインピーダンス換算して値を算出していますか? 600オームで入れた信号を50オームで計れますか?
AF信号を計測するにはVTVMは必須。 モドキはVTVMを持っていない。低周波の計測は600オーム。リーダーの600オーム オシロを持っていないのは 100% 奇怪しい。
スーパーラジオでの調整方法である「トラッキングの仕方」⇒ ここ。
NHK 567kHzや594kHz 等の低い側で感度が不足する場合の対処もここに 明示してある。
*******************
①まず、三和無線測器研究所の広告。昭和35年の雑誌から。
標準信号発生器(SSG)とセットでループアンテナを使う。これは往時のラジオ技術者の基本。オイラも20代時代に教えられて使ってきた。(業務でラジオ修理)
「何故セットなのか?」は、画像の説明文を読めば理解できると想う。
50KC~なので455KCを飛ばせる。
と説明通りにSSG値を直読できる。無線電波を受信する機器に有線で信号を入れるのは不自然だよね。
オイラのは、目黒。商品名「テストループ」の文字が読める。
「ラジオ調整 テストループ」で検索すると、オイラのように「業務用テストループ」を所有するsiteが2人だけ見つかる。お一人はエンジニアだった方。もう一人は現プロ。他は無さそうだ。やはり、修理する側のクオリティがかなり落ちている。
ラジオ修理をしてyahoo出品する圧倒的大部分が「業務用テストループの所有はない」ようだな。
75ΩなのでNコネクター。 この頃は測定器VTVMもNコネクター。(現代はBNCだが)
3つ上の先輩のM氏も同僚のS氏も テストループで時折ラジオ調整しているといまも聞く。
「テストループを所有し使っているか?」 or 「持っていない」が、修理業務経験者と素人との違いだろう。
現在の入手方法は、年1回ていどみかけるYAHOO出品をgetするしかない。
見様見真似でラジオ修理を始めるのは当人の勝手だが、修理業務経験者なら半導体ラジオで1万台程度は軽く修理しているので、修理経験の桁が大幅に違うだろう。(2桁?3桁?)これだけの台数を趣味では治せない。(趣味では総時間が不足。)
「プロとアマチュアとは決定的に違う。どこが違うか?」 。プロは数をこなしているので、仕事が安定している。
ラジオ修理業務では、「標準信号発生器+テストループ」はmust。
②不幸にして「標準信号発生器+テストループ」でない場合にはJISC6102-2に準拠のこと。
JIS C6102-2によると
「標準無線周波入力信号は,適切な擬似アンテナ回路網を介して受信機のアンテナ端子に印加するか(第1部の表 III 及び図 5 参照),又は標準磁界発生器で信号を受信機の磁気アンテナに誘起させることによって印加する。」と定められている。
1部記載の擬似アンテナ回路網を見ると開放線の長さが、5m と10mでは 擬似アンテナが異なる。また受信周波数帯によって 回路定数も違う。 磁気アンテナのラジオだとテストループで調整するので擬似アンテナ回路網の組みなおしは不要だ。
「長さ5m程度の室内開放線アンテナのための100kHzから1.7MHzまでの周波数範囲の擬似アンテナ回路」では図示のようにCは無い。この場合はCが存在するとJISから離れた「自己流の好き勝手な調整方法」になってしまうので注意。
この「好き勝手な調整を行なう」のは知識不足に加えて民度も低い証になるので、ご注意されたし。
JISはここから読める。
開放線アンテナのない「市販ラジオ」では、標準磁界発生器で信号を受信機の磁気アンテナに誘起させることになる。 このためにテストループは必須であり、プロエンジニアはそれを使っている。受信機の磁気アンテナに誘起させることがポイント。
yahooで「ラジオ調整します」のようなものが出品されているが、それがJISにどのくらい準拠しているのは知りえない。プロエンジニアがJISを知らぬとは考えにくい。自称「プロ」の可能性が非常に高い。
③おまけに、松下電器からFMラジオキットが販売されていた写真。
ラジオ工作派なら、手に入れてみたいものだ。⇒半年後だが手に入れることができた。
2017年6月5日 追記
雑誌で、春日二郎OMが「模擬回路の さらなるダミー回路」に言及されていた。
***************************************
2017年11月11日追記
ここで取上げたように磁気アンテナ(バーアンテナ)のラジオ調整にはテストループがMUSTだ。日本工業規格がそう定めている。半導体ラジオ・チューナーには必須だ。
テストループは90年代には製造されていたかどうかも妖しい。 オイラのは1970年代後半の製造品。
目黒も松下も大松も標準信号発生器用テストループの製造は2000年には終了していた。販売在庫品も底をついた。現行流通品はゼロ状態だった。
さて、そのテストループが数十年振りに製造された。 祐徳電子さんから販売開始された。
自称「ラジオのプロ修理技術者」もこれが入手できるとホっとするだろう。プロエンジニアは会社の業務でラジオ調整(JIS)について教育され知識として身につけている。しかし、プロの修理業務経験のない方は、好き勝手に非JISな方法でラジオ調整する。 JISに非準拠ゆえに、自称「ラジオのプロ修理技術者」と呼ばれる。
◇箱を開けた
BNCケーブルも付属していた。
「パイプベンダーの曲げ型をよく見つけたなあ!!」と驚く。昨今、このような小さい直径の金型は市場にないと想うがどこで見つけてきたのか?
◇支柱は「円筒研磨加工後、ハードクロムメッキ処理」と加工プロ仕上げ。日本の会社よりメッキ処理が上手い、こりゃ驚いた。インローに拘って丸研してある。
通常は「ミガキ棒のままニッケルメッキ」が加工費としては安価。
下の写真のように、ハードクロムメッキ処理は国内では2000円以上の鍍金費用になる。
機械設計屋のオイラからみて「贅を尽くした」と想える。
◇スタンドベースは「電着カチオン塗装」。
「ここまで手間掛けるの?」が率直な感想。 今の時代なら黒染めで安価に済ませて終了だろう。
◇さて電波を飛ばしてみる。
正常、受信中。
◇ HF仕様だが、2mまでは信号を入れて確認してある。
6m,2mでバーアンテナを使うかどうか?
祐徳電子の社長さんは、松下電器の元エンジニア。 ラジオ系のエンジニアだ。 それゆえに良く判っている。
よく現代に復刻(復活)させたものだと感動し、感謝します。
復活の切っ掛けは、「数人の自称ラジオのプロ修理者」がテストループの必要なことをオイラのblogで知って、祐徳さんに、中古品/新品の捜索依頼を掛けたことがが起因。テストループの内部構造と材質はオイラからも情報提供は行なった。
ある意味で、自称「ラジオのプロ修理技術者」に感謝すべきだね。
機械設計屋が作るともっと手間を省いた安直なものになるだろう。
入手希望者は、祐徳さんに問い合わせのこと。
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MWでのトラッキングについてはここに列記済み。
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