LA1600ラジオの基板は手配済みだ。恐らく1月10日頃には到着するだろう。既存の受信機の感度を確認しておく。
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7MHz受信機のゲイン考。SN=10dBになるSSG信号値をあげてみた。
6mポケトラでもダイレクトコンバージョンが採用されているが、設計指針のようなものがやはり必要だろう。2012年に製作したキット品の感度をさらっと測る。 オイラの環境には「製造ラインにあるシールド小屋」はないので、25dBu入力程度から下の微弱入力の結果は目安にもならないほど一般家庭では室内ノイズの影響を受けている。
「製造ラインにあるシールド小屋」に篭ってラジオ調整していた経験は20代に数年間積ましてもらった。その経験からすれば 15dBu入力時の無線機の感度測定ですら一般家庭環境では無理だ。
◇DBMデバイス(能動デバイス)による変換ゲインについては、
TA7358は マイナス6dB(実測値) ⇒ポケトラ用に大人気
TA7320は ゼロdB(実測) ⇒基板ナンバー RK-08
NE602 14dB(SPEC表) ⇒サトー電気さんのKITに採用されてる。
MC1496D 10dB(SPEC表)
と拾い出してみた。 DC基板に採用したTA7320はTA7358よりはベターなICと想える。 「それぞれ半導体のノイズがどうか?」も重要なfacterだろう。
参考に今手元にある7MHz受信機たちの写真。
1, SR-7(LA1600のヘテロダイン)
「別冊CQ HAM RADIO 1994,5月号」掲載の回路と オイラの購入したSR-7は回路が少し異なる。
無入力時のSP端波形。 写真では綺麗に捕らえられていないがnoiseyだ。スパイク形状が多数ある。
「どの半導体からのノイズか?」は未確認。 2012年の往時は初心者マークゆえに気つかずにいたが、ノイズレベルが高い受信機と云えるだろう。
SPEC表上では、このLA1600はラジオICの中でSNは中の上になるが、LA1600+MJM2073だとこの程度のSN。
◇SN=10dBにするのに45dBu入れた。 「周波数変換ゲイン+IF段」分の増幅がある。これは、6石ラジオだと35dB~40dB増幅相当になるだろう。
下の写真のように、製作当時は、35dBuも入れれば聴こえたが、、 、、、往時と比べて何かが壊れているようだ。或いはSSGが壊れたか?
2,自作の中2真空管ラジオ(中波、短波) 回路図。
松下電器等メーカー製ST管ラジオは、オイラのラジオより20dBほどSNが劣るので、比較対象にすら為らない。
47dBuでSN=10dBになった。上のSR-7(LA1600)より波形は綺麗だ。バーアンテナで室内の雑多ノイズを拾っているゆえにVTVM値が安定せずフワフワする。シールド小屋で計測してみたいものだ。
低ノイズな真空管ラジオなので、信号波形がはっきり見える。やはりSNは重要だ。 現状のSR-7よりは感度良いことが判る。
3,考察
◇ SR-7のノイズ源調査を行なうと部品除去やパターンカットが必要になるので、調査はしない。波形からすれば3端子レギュレータが最も妖しい。LA1600,NIM2073起因のノイズの可能性もある。受電ランプ(LED)とOSCが同じ電圧ラインなので、この可能性もある。
往時はここまでノイズが高くない写真があるので、何か半導体が壊れているらしい。
◇トランジスタラジオだとOSCコイルと初段IFTを入れるが、LA1600は初段IFTが無いので局発の負荷は抵抗(内部回路)にしているようだ。455kHzでも高周波増幅を抵抗負荷にするとSNが大きく悪化する。ラジオICで「高周波増幅をIC内部で抵抗負荷?」にしてSNが悪い先例デバイスとしてLA1050がある。 LA1600のノイズ量を含めた挙動は自作基板が到着して、そこで確認したい。
SR-7とRX-9を目指す実習③・実習④の「LA1600基板回路」でOSC実験をした。 このOSC回路は3球式ダイレクトコンバージョンでトライしていた頃の実績物だ。
PCB化すると、
◇FCZ 7MHzコイルで発振させてみた。
コアを出し入れすると1MHz超えの可変幅がとれたが、基板に実装するとここまでの可変幅は??だ。
発振を強めにしたので歪んでいる。 求める発振強度は0.3V前後だろうから、もっと弱くてOK.
◇バリキャップによる可変範囲は9MHz帯で150kHzほどだろうと推測できる。実際のPCBによるC成分・L成分の影響を受けてどうなるか?.「VRの回転角度270度で135KHz可変。」を5系統作れば500kHz幅を受信できる。 ファインチューニングは「VR回転角度250度:15kHz~25kHz」が使い易いことが自作真空管短波ラジオで判っている。
もともとは7Mhz用の球式ダイレクトコンバージョンで可変範囲を絞り込む回路としてトライしていたので、そういうものだろう。
7MHz帯にはこのままで行けそうだが、9.5~9.99MHz受信にはひと工夫必要らしいので少し考えてみる。
「上の写真のような動作点で使え」ってことは、判った。この値を図面に反映させる。
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LA1600を使った基板を検討中だ。
下のようにBFO付き基板は書けた。 SR-7と同一ではない。 同じ所は「他励式OSC部」だけ。
これが実習④に相当する。
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続いてRX-9を目指し、BFO無しの自励式LA1600で書きはじめた。 実習③に相当する。
自動結線でスッキリはするがそのままでは全く使えないので、あくまで粗案(下書き)のイメージになる。
バリキャップのQは低い。 ポリバリコンと比べても半分以下。Qは性能を左右するので、 受信同調に低Qはちょっと採用できないが、止むを得ず同調回路にバリキャップ採用するならば、低Qを補う意味でRFアンプが前段にあったほうが良い。 たまたまOSC部ゆえにバリキャップでもOK.
時折、「受信同調にバリキャップ採用して感度が足らない」との製作記をみるが、Qの大小を知っているなら左様な嘆きは出来ないだろう。
30円~100円前後で手に入る可変抵抗だとVRを開いていって全開直前でPEAKがあり、MAX時に抵抗値が下がるのが主流のようだ。 300~500円のVRでも全閉直前でカーボン塗布が甘くてガサガサとなるものがかなりある。納得できる性能のVRは1000円以上で扱われている。 ,,,,と性能を想うなら高コストになるだろう。 VRは性能に応じて価格が定まっている分野だ。
「100円VRで片目を瞑って使う」のが如何にもアマチュアライクだろう。
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オイラの所持品の「未組立のRX-9」。2010年に購入したようだ。
LA1600を自励で使う回路にしてみた。 RX-9とよく似た回路にはなる。
「実習③」は アイテック電子さん執筆本の項目番号が「実習③」である。
千葉OM殿、多謝候。
NJM2073は秋月さんで60円/1個で販売されている。
前記の廉価ICはその半分以下の価格ではある。 30円違うと1/6W抵抗40本相当になるので、ICの調達価格はかなり肝になる。 もう少し廉価なAF用ICを探してみよう、、。
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AFのICを廉価なIC型番に変更した。 これだと25円/1個程度で調達できる。型式は画像から読み取れるだろう。
AF部のICのゲインが38dBらしい。SPEC表には値が不記載ゆえにあちこちのsiteを覗いた。
オイラの自論として、「AF部は60dBほど必要」と想っているので前段の2SC1815を25dB前後で作動すれば良いと想う。
LA1600の出力はSPEC表では、80dBu入力時に上限155mV(typ)。 MAX250mV。 2SC1815を300mV inで歪まぬようにするのはやや苦しいだろう。
23dBu入力で24mVらしいので、2SC1815は20mV in想定でよいように想う。
spec表は性能保証書ではないので、部品選定時にマージンを考える。
◇ この回路は、OSC回路がアイテックさんと同じだ。LA1600は配置部品は定まっているので、同じになってしまう。BFOは少し工夫してある。
この基板からBFOを外すと一般的なAM受信機になる。そこで 実習③にトライするのが正規順序のようにも想っている。実習③は雑誌記載のように「RX-9」の回路である。
eagle cad(free)の上限?と云われている80x100mmサイズには納まった。
AF AMPのNJM2073のコールド側ラインで悩んでいる。
ノイズを吸い込まない結線順はどれだろう、、と:いまここ。
加えてOSCはVC仕様にしたが、バリキャップ仕様も検討したい。 OSCゆえにQが低くても影響が少ないのでバリキャップ仕様もありえるだろうと。
真空管の短波・中波ラジオは12台超えて自作したが、周波数偏移は気にならないほど小さい。ラジオカウンターで表示されているし真空管なので、多少の周波数暴れはあるが、聞いている間にす~とズレいくことはなかった。温まればそこそこ安定していた。
スチロールコンデンサーを多用して周波数安定化を計るのがセオリーだが、入手が困難だ。このコンデンサーの入手が悪化したので、サトー電気さんはダイレクトコンバージョンキットの販売を終了した。過去LOG参照。
TA7320ダイレクトコンバージョンは「CQ誌のジュニア向け記事」をベースにしているので、簡便な形で基板化した。 この基板RK-08は今日12月20日から領布を始めた。
SR-7はご存じのようにNJM2073(DIP)を採用している。 紹介雑誌販売が1994年5月号ゆえに少なくとも24年前にはNJM2073は存在していた。
NJM2073で検索すると「NJM2073 ノイズ」の検索が引っ掛る。
ノイズと単に言われても
①「デバイス内在のノイズ」
②実装が下手でノイズを吸い込む
とに分別できるだろう。 回路定数の数値設定失敗は実装以前のお話になる。
WEBを見ていくと、どうも実装が下手のようだ。とりわけコールド側ラインの考察がほぼ無い。オシロ波形で電源の質も含め考察することも大事だろう。
自作真空管ラジオを110台しか作れていない「駆け出し」のオイラでも、コールド側の配線ルートは多少気を使う。audio系ではプリント基板(穴空き基板)のコールド側は「信号さん(信号くん)」から見て迷うことが無いようにする。分岐は基本駄目だ。電子はマイナス側からプラス側に移動するので、進路を分岐すると彼等の迷いが発生する。
マイクコンプレッサー基板(SSM2166)で良好なSNを得ている理由はそこにある。
「何故分岐が駄目なことに気ついたのか?」は松下製真空管ラジオRE-760,RE-860それにシャープFM-11ではプリント基板が採用されているが、ブーン音量はメーカー毎の差があることを知った2014年だった。「シャープ製はブーン音が小さいのに何故松下製ラジオはブーン音が強いのだ?」とパターンを眺めていて判った。「松下は平滑回路のコールド側で分岐がある」、、、と。 家電メーカーですら往時の技術水準はそういうものだ。
ラジオだと、ラジオノイズより低いノイズ雑音になるように考えればよいので、コールド側の引き回しは多少甘くても支障ない。
LA1600+NJM2073の回路ではBTLになっている。
NJM2073がノイズ多々なら既に廃番になっているだろう。
SPEC表をみるとLA1600のSNは平均的だろうと思う。
オイラはどこにでも居る田舎のおっさんだ。
上記部品量だと、eagle cad(free)のほぼ上限に近いことが判る。
◇開発済みの AM/SSBの自作短波ラジオ基板表
YouTube: LA1600 nini radio with lm386
下写真はRK-60.感度はRJX-601並。
希望者には領布中。
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LA1600を使った短波ラジオ基板の製作記。その基板は領布中。
以下、製作記。
アイテック電子研究所の千葉OMが書かれた本が1994年にリリースされている。
その本を見ながら、簡便な7MHz用受信機を作ろうかと。。
上の記事はSR-7について書かれている。 もちろん回路図は記載ある。
◇回路をeagle cad化した。
ヘテロダインには、SANYOのLA1600。 これはSANYOにとって初めて短波帯対応のラジオIC。以降のラジオICには短波帯対応がかなりある。もちろんSメーター接続対応のICが主流になっている。LA1135がSNよさげである。
AFは本記載のNJMにした。全体として、AF部の電圧ゲインがやや少ないように思えるのでトランジスタで10dB前後増幅してNJMに入れる。
OSC部は本記載の回路のまま。BFOはオイラが先日まで実験していた回路とレゾネータにした。
RFアンプを入れて、FCZコイルx2でLA1600へ受け渡す予定。
と、原回路を多少アレンジしてある。
千葉OM殿、多謝候。
7MHzダイレクトコンバージョンの2次試作は川崎を出たようで明日届くようだ。
①Freq 7.000MHz :5.17uH 100PF
7.200MHz :5.17uH 94.5PF と可変量6PFが理論値。 180度開閉で6~7PFになるようなバリコン値を狙う。
②7.000MHz :4.13uH 120PF
7.220MHz :4.13uH 113PF。 インダクターがこれなら可変量8PF程度。
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中国基板メーカーの価格改定が12月1日から始まっている。
鉄鋼材は2017年10月に価格改定でUPしていることは、よく知られているが、基板素材も値がUPしていた。
ELECROWも2倍~3倍に価格が上がっているので、 手配数量を増やすと割高になる注文設定になっている。 オイラも在庫基板終了したら、追加はしない方向だ。PIC式周波数カウンターの当面復活は困難だろう。
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