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2017年2月18日 (土)

3端子レギュレータの実力を波形で確認。整流リップルは減少するか?

elecrowも正月明けで忙しいようだ。

さて、有名になった振込み用紙だ。

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ここで、ヒーターAC6.3V倍電圧整流の波形をご紹介した。

乾電池駆動時にノイズを撒き散らしてラジオには使えない3端子レギュレータがあることもここで紹介した。

オイラは御馬鹿なので3端子レギュレータの実力を疑うことにした。 ノイズ発生装置になる3端子レギュレータは選外になるが、日本の大手メーカーの大部分は残念ながら選外だ。

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◇平滑回路4段にしてみた。

3端子レギュレータよりgood波形が確認できる? or 出来ない?

どうだろう?

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本ラジオに載せる「デジタル周波数表示器」は「供給ラインへのノイズ流出」のほぼゼロのこれ。0.01mVほど漏れる

①以前の写真をもう1度up

ヒータ6.3Vを倍電圧整流したあとに3端子レギュレータ(9V)を入れている。負荷は2sc1815が2個なので5mAも流れない。整流は半導体ダイオードを使用している。

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発振はしていないが、この3端子レギュレーターは230kHzで発振していた型式の1Aタイプ。あの時は乾電池駆動だった。これは等価回路も公開されている大手メーカーのものだ。

今回は発振なし。あの時は発振。同じ型版シリーズで流れる容量がちがうだけなのに、、、。

等価回路が同じでもウエハーに形成されたランド幅が異なると浮遊C?も異なってくる。回路図だけでは性能を評価しにくい分野でもあると想うよ。

②3端子レギュレータ無しの「平滑回路39Ωの4段」では?

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VTVMでの数値は下がっている。レギュレータ無使用で3割ほど改善されている。スパイク形状のピークは同じようだ。3端子レギュレータ時よりは、波型の波形(リップル)は、この方が下がっている。 面積比較するとより判りやすい。

スパイク形状対策はオイラが中学生の頃から雑誌に掲載されていたので、公知の方法である。オイラがいまさら書くほどの事はない。

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負荷次第だが、この位の電圧になった。今は2SC1815が2個。

③330Ωの3段+680Ω1段。 

ここまで改善された。

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VTVMの針が映っていないので0.5mVより小さいようだ。

CとRで構成した方が、3端子レギュレーターより20円程度安くつく。 

廉価で効果ありなら、3端子レギュレータの出番は遠い。カタログでは「55dBほどリップル改善されるのが3端子レギュレータの性能」らしいが、オイラの実験(整流リップルの大小)では ほぼ無能に近い。

実験室で行なわれるデータ取りは実環境と異なるので「チャンピオンデータ」と呼ばれている。この用語は、エンジニアなら聞きなれた言葉だ。この3端子レギレータは残念ながら日本メーカーである。 

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③9V出力にする抵抗を少し探ろう

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68Ωの4段にした。 これで初期(3端子レギュレータ使用)よりはリップルが確実に低い。負荷は2SC1815が2個ととても軽い。

10.7Vなので 正規な負荷をつけて追い込めばよいだろう。

3端子レギュレータは整流後のリップル減少にはほぼ効果がないようだ。材料費では3端子レギュレータ使用が高コストになる。

上の写真たちでは、VTVMは3mVレンジ。

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公開されているSPECには上のような表がついていることが多い。本レギュレータのは等価回路も除去率表もなしだったので上記表は借りてきた。

表からはそこそこリップル除去できるらしいことが載っている。実際にはこの実験のようになった。

SPEC表と現実とはかけ離れている。これは明らかに乖離だね。

◇追記。

このメーカーの公知情報では、120Hzでもそれなりに減衰するらしい。

AC整流後のリップル除去をねらってつくられていることが分かる。100Hzあたりが減衰量maxになっている。

 ただし「Vin-Vout」として 「8Vdc+3.5Vrms」 で計測されている。 仮に9v出力ならば、12V入力と低電圧印加ではspec表の性能がでないことになる。概ね12Vほど目的電圧に加算した電圧時にはSPEC表になるようだ。

むしろオイラがほしい情報としては、この結果に至った実験回路(整流回路含む)を知りたい。取り分けコンデンサー型式を知りたい。コンデンサー型式による差もおそらくメーカーは計測しているだろうと想う。

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オイラの実験は、電源トランスからACを倍電圧で整流し、それに3端子レギュレータを前後コンデンサーとともに使っただけだ。

◇整流リップルの減少具合についての実験ゆえに、上記のように波型のリップルについて大小を言及している。スパイク形状に注目して理論を張る方が居られるが、 文字列を確認してほしい。表題も一貫して整流リップルとなっている。リップルでない波形の減衰効果について、「ある or ない」とは言及していない。魚拓で確認してもらっても、リップルでない波形は言及していない。「むしろスパイク波形のピークはおなじようだ」と記してある。その上でリップルについて言及している。

話題の中心にないことを、言及してくるのはご本人の勝手ではあるが、「日本語理解力がどうなのか?」。、、と

◇ラジオに組み込むので、電池駆動時にノイズ発生源になるメーカーは当然に選外になる。使えないゆえに、データシートに目を通すことは稀だ。日本製でノイズ発生源にならないメーカーは1社だろう、、と 等価回路の公知はない。まあ当然だろう。ノイズ発生源になる3端子レギュレータを使うのもご本人の勝手である。

海外製品も含め、等価回路が非公表な製品は今の処ノイズ発生源にならないので、「これはどうしてだろう?」、、、と。

不幸にして電波ノイズになる3端子レギュレータを買ってしまったら、潔く捨てることをお薦めする。

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2012年には真空管用+Bにおいては、CRによる平滑回路で

リップル率=(リップル電圧/定格電圧)x100(%)=0.00085V÷90V=0.00094%を確認してある。

詳細はここ

それを読まない方もいるようなので、再掲しておく。

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3端子レギュレータの実力を波形で確認。整流リップルは減少するか?を参照しているブログ:

コメント

スパイクノイズはFFT 掛けたらどの位の周波数帯域に存在するのでしょうかね?

3端子レギュレータのリップル抑圧はせいぜい10KHz 程度まででしょうし、そもそもスペックは120Hz 2Vp-p のサイン波を入力に重畳してどの程度抑圧出来るかとなっているようですので、インパルス波形に近いスパイクが減衰しないと仰るのは言いがかりに近いと思います。先ずは整流回路を工夫してスパイクノイズを無くすべきです。

ここはひろゆき氏のsiteではないので、2chチックなnameはご遠慮していただきたい。

まず半導体ダイオード起因の波形についてはham journalの創刊号(no,2号誌?)に詳細に載っていたはずです。対策も公知されています。それを既読で書き込まれていますよね。
そもそも 整流管⇒半導体ダイオードに技術シフトした当初からの話題です。

半導体ダイオードメーカーも工夫されていて結構良いものが市場にあります。私は新電元のブリッジを使っています。

・整流回路を工夫しスパイク波形を除去していくと3端子レギュレータの役割は電圧制御だけになります。(スパイク除去過程でリップルも減っていく)。 電圧制御は抵抗分圧でもほとんど行えますね。180Vから抵抗分圧で1.5Vをつくるのは結構難しかったです。工夫を反映させると投影面積が増えますが、3端子レギュレータの役割はほぼ消滅すると思います。


・3端子レギュレーターの宣伝公知としてリップル除去資料を上げているので、それが出来ないと不自然です。とある条件下での限定的除去であればその作動条件は大きく公知する内容です。不記載であれば掛かる条件は不存在になります。アナログICのデータシートには測定器型式を含む、試験回路が公知されていますので、3端子レギュレータではそれがないようです。

・ノイズ重畳ですが、「自然界にあるノイズにおいて、その代表的なノイズを載せて確認するのが技術屋だ」とおもいますが、自然界での遭遇頻度がすくないと思われる信号波形を重畳している時点で、、??だろうと思いますよ。
 代表的なノイズ(波形・周期)について言及し研究されているかも社外からは判りません。 


・私の本業はFA機械設計屋ですので、チャンピンデータを疑い作動確認しつつ設計します。そうしないと事故に至る世界にいます。

NJM7809 辺りを使用されたとのことですので、下記のデータシートで開示されている図の都合から5V品で説明しましょう。
https://www.njr.co.jp/products/semicon/PDF/NJM7800_J.pdf


1ページ目
・特徴として「高リップルリジェクション」とあります。
・等価回路から入出力間はダーリントン接続のトランジスタのC-E 間となっていることが判ります

2ページ目
・出力電圧範囲、出力電圧の温度係数等が規定されています
・リップル除去比が測定条件と共に規定されています最小値で68dB 、標準値で78dB
 測定条件はVin=10V, Io=0.5A, ein=2Vp-p, f=120Hz

5ページ目
・リップル除去比の測定回路、算出式があります
・入出力コンデンサについても説明があります

8ページ目
一番下にリップル除去比周波数特性例
・NJM7805 の3KHz までのリップル除去比は80dB を少し超えています
 2ページ目の測定条件120Hz も含まれています
・一方で3KHz を超えると低下し始め10KHz では70dB を切っているようです
・トレースのある周波数は10K と30K の間位までしかありません

これらから特徴とする「高リップルリジェクション」とは
30Hz~3KHz 程度までのサイン波なら2ページ目で規定されたリップル除去比が見込めるが3KHz を超えると低下し10KHz~30KHz の間以上はどうなるか判らないということが判ると思います。

60Hz を全波整流して120Hz のランプ波に近い波形が入力されたとしてもランプ波(三角波)は奇数倍の周波数成分の二乗分の一でしかありませんから、25 次の3KHz は1/25^2 の振幅しかそもそも存在しないことになります。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%89%E8%A7%92%E6%B3%A2_(%E6%B3%A2%E5%BD%A2)f

一方でスパイクノイズはご存知の通り思いの他高く広い周波数成分を含む厄介なノイズです。

インパルス波が無限の帯域幅の成分を含むことからも推測し易いでしょう。

しかるにこのデータシートは通常の電源周波数を整流しスパイクノイズはほぼ存在しない前提として「高リップルリジェクション」を謳っていると思われます。

不記載どころか丁寧に記載されていると思います。

メーカーの肩を持つ訳ではありませんが自然界にある代表的なノイズというのを規定しようが無いため、120Hz のサイン波重畳とリップル抑圧の周波数特性例なのでしょう。

入力電圧、負荷電流の変動に対して無調整でそこそこの精度の出力電圧が得られるのはメリットでしょう。

勿論設計要件によっては無意味でしょうけど。


ご指摘のham journalは読んだことがありませんが、対策としては居酒屋ガレージさんのこの辺りでしょうか。
http://act-ele.c.ooco.jp/blogroot/igarage/article/3836.html

完全では無いかもしれませんが、整流回路におけるスパイクノイズ低減には役に立つ昔から使われている工夫ですね。

最後に「私の本業はFA機械設計屋ですので、チャンピンデータを疑い作動確認しつつ設計します。」と仰りますが、データシートを良く読めば、この3端子レギュレータでスパイクノイズの低減が見込めないだろうことは明らかでむしろ作動確認で規定されていない実力を当てにして設計するとも誤解されかねない記述であることを心配しています。

せっかくかなり勉強されているようなのに勿体無いと思い書き込んだ次第です。

なお平滑コンを極端に小さくして9Vp-p 程度のリップルを乗せた電圧を入れたTA78005AP は3~4mVp-p にリップルを低減しておりました。
入力の最低電圧は7.6V 程度で最低入力電圧は満足させています。
TA78005AP のリップル除去比は最小58dB 、標準74dB らしいので概ね規定通りの67~70dB 程度のリップル除去比が得られたことになります。
200MS/s で観測した範囲ではスパイクノイズは見当たらない状態です。
出力には100ohm を負荷として50mA 流しています。
測定条件に合わせ入力側には0.33uF のPP コン、出力側には0.1uF のマイラーコンを用いました。
おそらくMLCC とかOS コンを使うとESR が低過ぎて発振すると思います。

何れもジャンク箱出身の部品なので当初の性能を有しているかは定かではありません。

※コメントの承認はしていただかなくても結構です。

いいえ、JRCのはシート表を借りてきただけですね。乾電池駆動時にノイズ発生源になるメーカーのは選外です。
 無ノイズ品の製造メーカーのは等価回路は公開されていませんし、リップル除去の表もありません。さて、どういう理由によるものかは、私にはわかりません。

表題が、「整流リップル」ですので実際の計測波形を写真でUPしてあります。 写真のように波形のものの大きさに差がありますね。 「これをどう考えるか?」だけのことです。スパイク波形については文中に「同じ」の文字列が入っている通りです。

「私はお馬鹿だ」と2012年から本blogにて公知していますが、この度は色々とご説明ありがとうございます。

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