ポケロク考察。TA7358Pを歪みなく1Voutで使う。DSB-SC
TA7358を振幅変調に使えると思っているオツムの悪い大人が多いので公開する。どうしても振幅変調に使いたいのであれば、取り扱いDBM出力量は0.2V前後、電流は数mAに収めること。
TA7358を使った作品では変調波形が公開されていない。この意味を考えること薦めるね。送信DBMもので波形紹介がないのは不自然。
現実は、DBM通過後の波形は下写真になる。 クリッピングされている。 AM変調からほど遠いので、それをみて考えることを薦める。
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久し振りになるが、
「TA7358Pのクランピングダイオード呪縛の脱出」について忘れぬようにnoteしておく。
記事全般はこれ。 実験履歴が確認できる。
①工夫せずに使った場合。
1、 mic信号を4番ピン入れると、6番ピンでは-4~5dBされて出てくる。 画像あり。
2, ピン番号1,2,3の遣い方にもよるが15dB~40dBのゲインが取れる。「FM-RF IN」ユニット。
3, TA7358Pを工夫なしに使うと6番ピン出力で0.25v以前に歪みだす。 6番ピンには1mA程度流れているので、歪まない範囲(0.25mWのQRPP 入力)で使うなら支障はない。
上記から、 送信側の立場で考えると「4番ピン、キャリア量0.3V前後」から6番OUTでは歪む出すことがわかる。 ギルバート氏考案のDBMではキャリア注入量は0.6V前後必要。弱いとスイッチングしないので注意。
「FM-RF IN」ユニット(ピン番号1,2,3)は 歪まぬレベルで使えばよい。MIC出力にも依存するが40dBも取ると歪むだろう。
②工夫して使った場合。
1, 6番ピンOUTは1Vでも歪まない。
2, 「入力強さ≒出力強さ」となり低下がないように見える。
3,キャリアも調整でBESTに追い込める。
③工夫内容を反映した図面を挙げておく。
1V超えでも歪まない工夫済み。
1Voutでも歪みなく作動するがそこまで拘らずとも他デバイスにするのも手立ての一つ。「乗算回路に何を使うのか?」だけだろう。DSB-SC用の乗算回路で簡便なものは何だろう???。
JF1RNR氏のような動作範囲であれば歪まない上限ギリギリで使えているのだと想う。(4番ピン出力の挙動をみながらMIC信号増幅を軽くする等)
繰り替すが、
◇元の回路図のままで送信時に歪むことなく作動させるには、実験から見て6番ピンoutが0.25v程度。1mA流れるのでinput0.25mW相当。 これをアンプ1段で100倍してinput25mW。こういう使い方なら回路図通りだ。適正変調になるように搬送波の注入量を可変することがmustになるだろう。DBMで充分なスイッチングさせるには注入キャリア0.6V前後は必要なので、上記のような動作は微弱すぎて無理。つまり歪まぬ動作は現実性がない。
◇工夫した回路なら6番ピンoutを1Vでも良いので、0.25Vout時の4倍は出せる。
特許公開2004から下写真は借りてきた。従来技術として公知されている。
TA7358を工夫無しで使うと5dBほどロスる。これは4番ピン⇒6番ピンでロスる。DBMの理論上のロスは3dBと明記ある。受動素子を使うとそういう値になる。
今回、受信時の5dBロスは効いてくる。その分、RF段でのゲインが余計にほしい。
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無工夫時のTA7358による変調波形を紹介しておこう。 ⇒2019年にUPした。
充分なクリッピングされていることが判る。小入力時からこのような波形なのでcomp動作とは異なる。
入力側のレンジが狭い。 音質も劣る。 ⇔ その意味では等価回路通りの音質だ。
こんな工夫が必要であれば、東芝 TA7320(OSC+変調)が簡単であり波形はTA7358より綺麗だ。
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変調デバイスとしてデフォルトスタンダードなMC1496の波形も念の為紹介する。
1968年発売なので52年の歴史がある。HF帯使用ではMC1496が最も綺麗な変調になる。
AM高級チューナー(SANSUI TU-X1)にはMC1496が採用され同期検波を受け持っている。音質もよいからメーカーが採用するんだよね!!
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