無調整型水晶発振器を考える. 使える発振回路。
シリンジ型水晶振動体製造分野においては、オイラの設計製作した検査機を納入してから早25年経過した。当時は単発機だった。「水晶振動体の製造を知らない側」ではない。納入した事業所はHOYA眼鏡に売却されてしまったので、九州に設備移動したウワサは届いた。
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・crystalを使った発振回路は真空管時代からの延長で半導体時代に受け継がれている。
・発振回路は発振を安定して継続させる回路であり、平衡状態の継続に必要な回路だ。「つまり発振回路は非発振で平衡状態にあるものをわざわざ異なる平衡に移行させる回路」ではない。「発振状態維持回路」と呼ぶのが正しく状態を示せる。 従って不安定な状態を引き起こす回路(発振起動回路)ではない。「発振の切っ掛け」にはコンデンサーを利用することが多いが、インダクタンスでも出来る。 これがさほど研究されていないのは、その現象を観測できるツールを自作する必要があるからだ。「投資費用 VS 効果」では日本企業は手出ししない基礎分野なので高専で研究していただきたい。
・crystal oscの特徴は発振周波数が安定していることだ。つまり発振周波数はロックされてほぼ動かない。50MHz帯でも水晶単体で1kHz動かすのは通常困難だ。水晶にLCをシリーズに入れるともう少し可変幅が広がる。トランジスタであれはCとB間に3PFほど入れて周波数をさげることもある。cobは発振周波数に影響する。現行50MHz水晶振動子は浮遊容量の大きい回路向けらしく、オイラの発振回路では少々上側での発振にどうしてもなる。「刻印された周波数」にまで下げるのに8pfもcb間に必要とする。
・OSC挙動を観察すれば判るがcrystal oscにはロック機能と思しき機能が内包されている。それはQに依存する。 しかしロック範囲は至って狭いので慎重にオシロ観察しないと確認できないが100KCのような低い周波数ものでは、発振周波数が99.80KC近傍からすっと引き込まれるように100.00KCで安定することをオシロ目視できる。周波数ロックと云えば超再生式検波も周波数ロックしAGCが掛かる。「これは随分と古い米国特許に公開ある」と米国人が云うがオイラの語学力では判らんかった。
・これも体験会得する世界であるが、ガラス材質のプリント基板は固有振動周波数を有しお邪魔な挙動になる。フェノールではそれほど強烈でないようだ。100KCマーカーはフェノール基板でつくったほうがベターぽい。
・無調整型水晶発振器は机上では成立する可能性があるが、実装時にはプリント基板が有するLCRと近傍部品の影響をモロに受ける。 つまりQがガツンと下がるので発振しにくい方向になる。これが理論と現実との乖離である。プリント基板によるQへの影響も高専で研究していただきたい。
・水晶発振にFM変調を掛けることは直接FM変調と呼ばれている。crystalの挿入位置によっては、⊿Fさせるはかなり困難であり、その場合「使える回路として知られているのはQST記載の1つ」だけだ。ネーミングもqst誌上にある。日本で開発された回路はまだ発見できない。「そのQST回路を日本人が使いまわしている」のが実態だ。
・オイラも真似をして真空管の水晶発振回路でfm変調を掛けた。日本語サイトで真空管を使ったfmワイヤレス製作例はほぼ無い。その意味ではオイラは貴重な経験者になる。コールド側を使った発振回路はややノイジーになることも確認している。コールド側に載っているノイズも含んでOSCされるので音が濁り周波数変調ではそれがよく判るので、電源のブーン音がしない電池式でFM変調ものをつくる 。 半導体ものでもB-C間で発振させた方が音が澄んでいる。オイラの聴感性はFM長野 技術部長に云わせると「音響プロでも見つけにくい音の違い」が判るおっさん となっている。
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・qst記事の回路とは違うが、直接fm変調回路をひとつ。
・この位置にcrystalを入れた場合には上流のCR値までcrystalに吊り下がる。
・VR ⇒トランジスタ ⇒ crystal の順だが、この回路でもVR開度によってOSC周波数が変ることが測定器でも確認できる。この事実は、雑誌等には記載がない。恐らく実機確認しないものが印刷物(製作記事)として流行っている可能性すらある。
・実装して確認していくと??状態に突き当たる。「実製作したのか?」との疑念があることが多い。実製作したと思えない記事を見つけた情報はここにも紹介されている。 Ltspiceでは 「 af信号を整流したらマイナスボルトが出現します」とのお告げがでるが、Ltsice教に入信するかどうかは自由である。
・水晶発振は随分と難しいので資料本も読みつつ自分で確認することをお薦めする。
・VR開度によって周波数が変ることに着目すると、「発振回路にボリュームを加えて、バリキャップもLCも不要にしたVXO回路」への新しい道が開けてはいる。「誰が回路公開するか?」の地点にいまいる。
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