真空管ラジオ工作 knowhow 覚え書き(2016年の再掲)
中波を同期検波ラジオで聴く。
YouTube: synchronous detection: homebrew, trial
RK-118で領布。
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tube pcb :amワイヤレス基板 RK-121。
お手軽に真空管ワイヤレスマイクを製作できます。
YouTube: am wireless mic :testing
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ta7642にsメーターを載せた基板 :RK-94v2で領布。
YouTube: testing indicator movement: ta7642
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いままで90台ほど真空管ラジオ(自作)を造ってきた経験から、製作時のポイントを列記しておく。
「雑誌に記述がないこと」を中心に列記する。
1,ラジオの周波数表示にLEDカウンターモジュールは使えるのか?
2.続いてラジオの調整の基本。 標準信号発生器からの信号
YouTube: 再生式はいぶりっどラジオ 1-V-2 デジタル表示
再生検波時は軽微な発振状態ゆえ周波数カウンターで受信周波数表示できる。強い発振の手前が感度良い。雑誌等に「発振の一歩手前、、、、」の記述があるが、再生時は周波数カウンターで検出できる発振強度がある。(動画参照)
古今、この再生時に周波数カウンターで受信周波数を表示させるのはオイラが初めてのようだ。ラジオ修理の重鎮たちのtryしたwebが見つけられない。
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ラジオ熱源を持っているので、熱平衡になるまではOSC周波数は動きますネ。
やがて局発の揺らぎは収まるが、IFは揺らいで上下する。10時間後でもIFは上下する。
球を差し替えると同調点がズレるように、球ごとの差はある。IF球の動作点を換えると内部Cが変化して中間周波数も動く。
★真空管ラジオのハム音に対する考察はこちらです。
★初めて真空管ラジオ製作される方は、こちらも参考にしてください。
★ネジ締結の基本すぎることだが、スプリングワッシャーは使わない。リン青銅素材で焼き入れされたスプリングワッシャーであれば使える。 生材のスプリングワッシャーは締めこむと伸びて脱落するので使用できない。
ネジ締結は機械科で学ぶ内容なので多くの方はご存知のはず。
・電源トランスvs出力トランスは、接近させない。フラックス漏れを交わすこと。
・バリコンとアンテナコイルは接近させて感度を上げる。両者が離れると感度が明確に下がる。(過去記事)
・IFTのPB表記にはルール性がないので、信号が回り込みにくくなるように配置する。(ケースTOPの孔も場合によっては塞いで漏れ出すのを減らす)
・球の自己発振は己の信号が360度廻れば起きるが、「ラジオでの困った発振」は次段からの信号戻りに起因するのでレイアウトに依存することが多い。
・OSCコイル(短波)の配置によっては短波帯でOSCしないので、かなり注意。
・球とIFTが一直線上に配置できるのがベスト。
・ケミコン同士の密着はNG。 活性化して円筒ケースがへこむ。⇒検索すると my記事が出る。
・6AV6(6AT6),6Z-DH3Aは接地するヒーターピンが定まっているので、それに準拠すること。(間違っている実体配線図も見つけた)
・3端子ICはノイズ源になる(30dBほどノイズ増えた)。⇒使えない。
Ⅱ、回路
・歪みの点で、AVCと信号ラインは別々が望ましい。(50年前の先達の記事にある)。音に無頓着であればメーカー製ラジオ同様にすればok。
・6SQ7(6AV6)はカソードバイスで使った方が音が良い。
6SQ7は流しても0.8mA程度まで、それを超えると音ワレしたり鼻つまり音になる。
・6AV6(6SQ7)は内部結合でIF成分が出力ピンに出てくる。検波能率は80~90%程度。残りは、すり抜けたり、熱になったり等。すり抜けたIF成分をAF部で増幅すると回り込むのは自明。やや工夫が必要。専用検波管6AL5,6H6ではその事はさほど考慮しなくて済む。6AL5,6H6では回り込んだ経験を思い出せない。
・6BE6に+B電圧を掛けすぎるとノイジーになる。 概ね150V~200Vが適正範囲。
・+Bのリップルをオシロでは計測できない程度(1mV以下)まで下げたラジオを多数製作したが、そこまで技術追及しなくてもOK。それでも平滑回路3段はほしい。
・平滑回路のケミコンのトータル容量が小さいと、VRを上げた折にボッボボとなる。モーターボデイング状態に入る。軽い抵抗にして電流を取れる回路がgood。
・ダイオードの倍電圧検波回路は実測で+3dB上がる。
・非同調負荷の高一中一に経験したが、フロントエンドのチョーク負荷はノイズが増えSNが悪い。(ラジオ雑誌の記事は眉唾だと判明した) IF終段のチョーク負荷は全然OK。
・IF球のSGに104など小容量セラミックを吊り下げると、ノイズだけ増加することがかなり多い。ノイズが大きいラジオでは、まずこのCの有無を疑うことを薦める。
・同調回路に5pF等のセラミックCで周波数補正するとノイズが増加するのでペケ。絶縁度が高くてQの大きい外国製トリマー(製造終了品)の世話になるしかない。
・局発の漏れが+Bラインに載るのがオシロで判る。それゆえに1st IFTの+Bラインにケミコンを吊るす。アンプのようにヒーターが接地レスラジオだと、OSCがヒーターラインに載るので余計な発振に遭遇する。 OSC強度を下げてわざわざと感度を悪くして逃げる方法もある。回路図参照
・6BE6,6SA7などのHEPTODE管は多極管ゆえにノイズが多い。コンバータノイズの多さは中波ラジオでも充分判る。アナウンサーの原稿読み終わり時の無音を楽しみたいなら、3極管を使った他励式ラジオをお薦めする。
・IF球のサプレッサーをアースに落すと、SG抵抗の増減によるIF球のゲイン調整(動作点変化)が楽になる。(サプレッサーアース説とは異なる。)
・「ダイオード検波」は検波しきれないIF成分が抜けてくるので、AF部ではそれを増幅させない工夫をすること。(トランジスタラジオだとトランス結合等を採用する。相が360度にならない段数にする等)。安易に増幅すると相が廻って発振する。
・+Bラインは、ツェナーダイオード起因のホワイトノイズを気に留めなければ半導体で安定化することも選択肢。(ツェナーダイオードはオイラとしてはお薦めしない)
Ⅲ、部品
・市販のバーアンテナはリッツ線が細く、トラッキング調整がピーキー。それゆえ己で手巻きしたアンテナコイルの調整は楽。手巻き例
・「バリミュー+2極」の複合管は、検波部までの配線長が至って短く済む。それゆえ感度良いラジオに仕上げられる。 EBF80, 6CR6。
・6BE6などheptord管では他に6BA7,6BY6,5915などがある。
6BE6,6BY6,5915の性能差は歴然とあるので、使い分ける⇒過去記事
オイラは、
感度が必要な場合は6BY6。
物凄く感度が必要な場合は5915。
聴こえればよい場合は6BE6。 と使い分けている。
Ⅳ、実装 (配線の浮動容量でゲインが減るのを極力さける)
・バリコン周辺の配線はAWG26や28などの細い線材を使い、「シャーシと線材」間で形成されるCを少なくする。 貴重な誘起電圧を浮動容量でもっていかれることを減らす。
・「球⇔IFT」間配線はシャーシとの浮動容量をなるべく避けるためにシャーシから少し持ち上げて配線する。間違ってもシャーシには密着させないこと。浮動容量でゲインを持っていかれる。
・SG抵抗も 信号ラインとで浮動容量が生じにくいように配置する。SG抵抗の浮動容量がゲインを持っていくので注意。
・ヒーターは下流⇒上流に向かって渡り配線する。 ヘテロダインラジオでは片側はグランドする。「浮して配線し局発の電波を拾い苦労すること」を数回経験した。
・平滑回路終段のアース点だけ注意。
・検波管までの信号線長で感度が異なる。短くなるようにレイアウト時から考慮する。(長いとシャーシとの浮動容量でゲインを持っていかれる)
★6BA6のg3とカソードとの結線の優劣。 g3-kの結線は低いsg電圧でゲインを稼ぐ手法。
オイラのIF2段ラジオでは、IF球のg3はグランドに落としてる。g3をカソードに結線してしまうと適正なsg電圧を見つけるのには調整がシビアすぎる。
★6BE6のSG抵抗が6BA6と共通。(5球スーパーでは標準) 。 これは感度を上げる手法。
別々の抵抗で同一SG電圧を印加しても感度は低い。これは、己で実験すればわかる。
Ⅴ、調整
・平滑回路のアースポイトが問題ないなら、VRを絞ってSP端でのVTVM読みは通常1mV以下になっている。0.3mVまで下がっているバーアンテナ式真空管IF2段ラジオも多数ある。
・IFT調整は テストループで455を飛ばして行なう。「プローブ+C」で入れても、ケーブルのLCが悪さする。
・VRを絞ってのSP端でのVTVM(いわゆる残留ノイズ)は、電源トランス搭載IF2段ラジオで0.25mV~1mV程度になる。(OUTトランス特性に依存するので、比較が難しい)。IF3段で0.6mV~1.2mV. 球を選別すればまだ下がる。
・ 6AV6(6SQ7)はIFがスルーしてくるので高めの数字になる。1.5mVより小さければラジオノイズに消されるので、6SQ7(6AV6)ラジオでは1.5mV以下になるようにまとめる。(6SQ7でも0.5mVくらいにはなる)
・ソレノイドアンテナだとこの数字は低い(アンテナコイルの感度にも依存し、ソレノイドでは感度悪く電波ノイズを拾えない)。概ね バーアンテナの半分程度ゆえに、ソレノイドアンテナでは0.2mV(IF2段)を割り込んで普通。ソレノイド式5球スーパーだと0.15mV前後。
・OUTトランスは可聴域でかなり特性アバレがある。東栄のも、妙な所で10dB増点があるのでそれを含めて音域を平坦化する。
・2バンダーでは、BC帯で調整を始めたほうが楽である。
Ⅵ、感度考察
ST管で7MHz受信。 (s+n)/n=10dB時のSSG値は47udBV
まず、
①近距離用⇒ 真空管式5球スーパー (増幅1段)
②中距離用⇒ 真空管式高一中一スーパー or 中ニスーパー (増幅2段)
③遠距離用⇒ 真空管式高一中ニスーパー(増幅3段)
の定義が先達からされている。(島山鶴雄氏)
トランジスタ6石ラジオは、「ヘテロダイン検波+中間周波数2段増幅+AF部」の構成
なので 5球スーパーより格段に感度が良い。
Audio Freqで増幅度を実測すると、6EW6のようにhi-μ真空管でも1球で30dBが限度。6AV6でも増幅度30dBだ。
新品の6BA6だと23~25dB程度になる。 中古なら20dB弱。IF2段でも20+20=40dBがIF段での増幅度
トランジスタ1石では40dB取れる(30V駆動)。3V駆動の2SC1815でも25dB程度は取れる。6石ラジオのIF段の増幅度は25+25=50dB。 このように10dBほど6石スーパーが良好である。
これに混合部でのゲイン差が加わるので6石スーパーは中ニラジオより15dB~20dB程度はgoodである。
ゲイン計算していくと、トランジスタ6石ラジオは、真空管の高一中ニスーパーと同等になる。
従って、トランジスタ6石ラジオ並の感度を真空管式に求めるならば、増幅は3段構成が必須になる。
「バーアンテナ⇔ソレノイドアンテナ」 偏波面の違いがあるがテストループでSG信号を飛ばすと20dBほどの差がある。 もちろんバーアンテナ式が感度良い。この数字の意味は上に記載した。
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①バーアンテナとバリコン距離の実験。
②残留ノイズ測定。これは0.4mV。(局発の漏れもしっかりと見えるので、この頃からosc漏れ対策にケミンコン追加始めた)。 ノイズメーターだとosc漏れはカットしてしまい、良い数字になる。ユーザーを騙すにはノイズメーター使用になる。
③+Bのリップル具合。測定レンジは5mV。平滑回路のCRだけで下げた例。(ワイヤレスマイク用)。
トランジタ式リップルフィルターは不要。
ラジオ用平滑回路もリップルはオシロ程度では読み取れないレベルまで下げた。
これもCRのみで実現。
④やや持ち上げて配線。
SG抵抗は、出側の線材とC結合しにくい位置にもってくる。
6BE6へのSG抵抗も、出力線とのC結合を減らすように配置。
⑤ケミコンは密着させないこと。
活性化して、内圧が下がる。⇒円筒ケースが耐られずに、凹む。
(記事参照)
⑥
配線間違えで、頭頂部に負電位が溜まることもある。
⑦ツマミの取り付け時に使う「押し子」
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