SANSUI TU-X1 は、世界初のPLL 同期検波の製品である。1979年の発売であり、SONYからの同期検波ラジオより1年半ほど古い。半導体デバイスで同期検波を全面に出したデバイスではMC1496が最もふるい。MC1496は1968年の発売であり、データシートには「同期検波で使ってね」と広告されている。
「通常はハードリミッターが必要だが、どうしてSANSUI TU-X1に無いのか?」を確認していたら、発売終了後の1982年にその技術公開されていた。内容は読んだ。オイラのオツムではやや理解が苦しい。
非常に技術が高いメーカーなんだが、どうして消滅したのか? 、、、と今も思う。
ハードリミッターが不要になったので音はすこぶる良いのが、TU-X1. もっと評価されるべき機体だ。この辺りの音の違いは、同期検波ラジオを自作してみればわかる。ハードリミッター起因の悩みがなくなるなら、そりゃ嬉しい。
現行日本人にはこれと同等なものは設計できないね。「見つけたら買い」
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セミプロユースのSSB,CW,FM、AMの受信機としては、The Eddystone 1570が1980年発売であり同期検波が搭載されている。当時の600ドル。レートは1ドル220円として13万円。
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JRC NRD525は1985年秋の発売である。 プロユースでは米国より5年ほど遅れて同期検波製品を投入してきた。「JRC 上田」での製造になる。発売直後に、「受信音が良い」とJRC 上田の従業員が申しておったのをオイラ覚えている。
トランジスタ3段のhard limiter通過したIF 信号を搬送波コピーとしてSN16913に入れている。これはMC1496の1968年公開データと同じ手法である。「IF段ICの自社製品がないJRCとしてはトランジスタ構成にした」と見るべきか、東芝、松下等の家電メーカーに頭を下げるのを嫌ったとみるべきか?。投影面積ではIC使用時の2倍になるが、ICを使わない理由はなんだろう。
同期検波の特性として S/N比が良い。歪が小さい。 所謂、音が良い。SANSUIとして同期検波させつつさらに低歪を狙ったのが、TU-X1. 勿論、AM放送のステレオ化に向けての回路でもあった。
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「OPアンプ+LC」を使った同期検波は1973年に回路公開されている。 ⇒ これがLC型同期検波の原型で間違いないようだ。オイラはA案として実験済み。
DBM ICを利用した場合よりは感度が出る回路になっている。
「同期検波ユニット基板」として復活予定。
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TDA1072の代わりにこのTDA4001を使えば同期検波ラジオが出来上がる。とても簡単にラジオとしてまとまるので、中級者向けのデバイスだろう。
YouTube: synchronous detection: homebrew, trial
オイラは機械設計屋のおっさんです。