この2016年時点で「ラジオの調整」と検索してtopに出るsiteでは、テストループを所有していない。つまり素人が大きな顔で、記述している。素人でも正しく記述されていれば安全ではあるが、どうかな? と公開済み。 それは2018年から受信用ループでお茶を濁しているsiteだよ。つまり技術低下を後押ししている。それを信じるのはご自由に。
2016年記事をベースに2017年4月23日に本稿をupした。
YouTube: 再生式はいぶりっどラジオ 1-V-2 デジタル表示
上の動画は再生式ラジオで受信周波数をデジタル表示させたもの(2016年6月公開)。今のところ日本では初めてらしい。悲しいかな、後続者の動画がupされた話はまだだ。
再生式ラジオの再生状態をLEDカウンターから見ると、強く発振していると 表示する。
弱く発振していると数字がちららちしている。 だが音声がまともに聞こえるのでこれが再生状態だ。(カウンターで検出できる程度の発振強度状態だ)
①「バリコン ⇔グリッド抵抗」にオシロプローブをあてた。
SG電圧の増減でオシロの波形が大小する。VRを絞ると横線状態になる。SG電圧で発振強度がコントロールできることを示している。発振振幅も安定している。自動制御が効かない発振ならば暴走状態になるが、アンダーコントールできる。
波形はよく見かける波形。
②LED式表示器への 信号引出し点での波形。
YouTube: 再生ラジオの「表示器への信号取り出し点」波形
グリッド側で引き出すよりは弱い。JH4ABZ式LED表示器はこのレベル程度入力でも計測するので優れものだと想う。
グリッド側で取り出すとLC共振回路にお邪魔な負荷が吊り下がり、Qが下がるのでお薦めはしない。(信号を取り出すためにQを下げることが主流ではあるので 熟考すること)。オイラの取り出し方は記事にはある。
上手に再生できている時は残念ながら発振している。(動画のように周波数カウンターが反応している)。
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此処からjisのお話です◇標準信号発生器からの信号を飛ばして調整はJIS準拠。残念ながらJISを無視している雑誌執筆者が日本にいる。「デカい顔すりゃ勝」は日本の成功方法のひとつである。
①SSGからの信号を電波で飛ばす方法についてお問い合わせを2013年ころから頻繁にいただいたのでご紹介しておく。あちこちのwebを見ると修理する側のクオリティが落ちているようなので、基本すぎるがあえてupしておく。(2017年4月23日に本稿up)。 「本稿up時にはテストループ使用で調整」のsiteは皆無だった。
②2017年11月 祐徳からテストループを発売。
③2019年5月1日 RFワールド N0.49でテストループ自作を記事。
アンテナ端子のないラジオの調整や感度測定に役立つ
受信機試験用標準ループ・アンテナの製作
まあ時系列では商用雑誌が一番遅れている。 机上エンジニアだろうね。
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昭和35年の雑誌広告を撮像した。概ね56年前のことので当時10代のラジオ少年だったならば当然知っている内容だ。 現在30代ならば覚えておいたほうがよい。
まず、三和無線測器研究所の広告。昭和35年の雑誌から。
標準信号発生器(SSG)とセットでループアンテナを使う。これは往時のラジオ技術者の基本。オイラも20代時代に教えられて使ってきた。(業務でラジオ修理)
「何故セットなのか?」は、画像の説明文を読めば理解できると想う。
50KC~なので455KCを飛ばせる。
と説明通りにSSG値を直読できる。無線電波を受信する機器に有線で信号を入れるのは不自然だよね。
オイラのは、目黒。商品名「テストループ」の文字が読める。
「ラジオ調整 テストループ」で検索すると、オイラのように「業務用テストループ」を所有するsiteが2つだけ見つかる。都内で1つ、東北でひとつ、まあ他は無さそうだ。やはり、修理する側のクオリティが落ちている。
75ΩなのでNコネクター。 この頃は測定器VTVMもNコネクター。(現代はBNCだが)
3つ上の先輩のM氏も同僚のS氏も テストループで時折ラジオ調整しているといまも聞く。
「テストループを所有し使っているか?」 or 「持っていない」が、修理業務経験者と素人との違いだろう。
現在の入手方法は、年1回ていどみかけるYAHOO出品をgetするしかない。
見様見真似でラジオ修理を始めるのは当人の勝手だが、修理業務経験者なら半導体ラジオで1万台程度は軽く修理しているので、修理経験の桁が大幅に違うだろう。(2桁?3桁?)これだけの台数を趣味では治せない。(趣味では総時間が不足。)
「プロとアマチュアとは決定的に違う。どこが違うか?」 。プロは数をこなしているので、仕事が安定している。無駄な手間が無いのがプロ。
ラジオ修理業務では、「標準信号発生器+テストループ」はmust。
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少しJISでの紹介をしておこう。修理業務経験者なら知っているのが基本知識。
まず、菊水 テストループ SA100.これはJIS C6102-1998準拠。
菊水さんから写真はお借りした。
ラジオ調整の基本としてテストループで電波を飛ばすことを記した。これはバーアンテナ(磁気アンテナ)で受信するラジオのために、テストループのインダクタンスもJISで定められている。JISの文面にあるようにトランジスタラジオ調整ではmustの設備になる。これを所有するのが、プロ。
家電メーカーでは、JISに準拠してラジオ調整を行なう。
修理業務の未経験者は、テストループの存在そのものを知らない。オイラのsiteを見て慌てて手に入れた人が5人弱居たことも聴こえてきたよ。オイラのは目黒のテストループ。
ラジオ修理業務では、「標準信号発生器+テストループ」はmust。
②不幸にして「標準信号発生器+テストループ」でない場合にはJISC6102-2に準拠のこと
IS C6102-2によると
「標準無線周波入力信号は,適切な擬似アンテナ回路網を介して受信機のアンテナ端子に印加するか(第1部の表 III 及び図 5 参照),又は標準磁界発生器で信号を受信機の磁気アンテナに誘起させることによって印加する。」と定められている。
1部記載の擬似アンテナ回路網を見ると開放線の長さが、5m と10mでは 擬似アンテナが異なる。また受信周波数帯によって 回路定数も違う。 磁気アンテナのラジオだとテストループで調整するので擬似アンテナ回路網の組みなおしは不要だ。
「長さ5m程度の室内開放線アンテナのための100kHzから1.7MHzまでの周波数範囲の擬似アンテナ回路」では図示のようにCは無い。この場合はCが存在するとJISから離れた「自己流の好き勝手な調整方法」になってしまうので注意。 随分昔から自作の擬似アンテナ回路をご紹介しているsiteもあるので、「初めて聞いた」とは云えんね。
この「好き勝手な調整を行なう」のは知識不足に加えて民度も低い証になるので、修理依頼はご注意されたし。
JISはここから読める。
開放線アンテナのない「市販ラジオ」では、標準磁界発生器で信号を受信機の磁気アンテナに誘起させることになる。 このためにテストループは必須であり、プロエンジニアはそれを使っている。受信機の磁気アンテナに誘起させることがポイント。
yahooで「ラジオ調整します」のようなものが出品されているが、それがJISにどのくらい準拠しているのは知りえない。プロエンジニアがJISを知らぬとは考えにくい。まあ「自称プロ」とも思える。
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2017年11月11日追記
以前、ここで取上げたように磁気アンテナ(バーアンテナ)にはテストループがMUSTだ。
テストループは90年代には製造されていたかどうかも妖しい。 オイラのは1970年代後半の製造品。
目黒も松下も大松も標準信号発生器用テストループの製造は2000年には終了していた。販売在庫品も底をついた。現行流通品はゼロ状態だった。
さて、そのテストループが数十年振りに製造された。 祐徳電子さんから販売開始された。
自称「ラジオのプロ修理技術者」もこれが入手できるとホっとするだろう。
◇箱を開けた
BNCケーブルも付属していた。
「パイプベンダーの曲げ型をよく見つけたなあ!!」と驚く。昨今、このような小さい直径の金型は市場にないと想うがどこで見つけてきたのか?
◇支柱は「円筒研磨加工後、ハードクロムメッキ処理」と加工プロ仕上げ。日本の会社よりメッキ処理が上手い、こりゃ驚いた。インローに拘って丸研してある。
通常は「ミガキ棒のままニッケルメッキ」が加工費としては安価。
下の写真のように、ハードクロムメッキ処理は国内では2000円以上の鍍金費用になる。
機械設計屋のオイラからみて「贅を尽くした」と想える。
◇スタンドベースは「電着カチオン塗装」。
「ここまで手間掛けるの?」が率直な感想。 今の時代なら黒染めで安価に済ませて終了だろう。
◇さて電波を飛ばしてみる。
正常、受信中。
◇ HF仕様だが、2mまでは信号を入れて確認してある。
6m,2mでバーアンテナを使うかどうか?
祐徳電子の社長さんは、松下電器の元エンジニア。 ラジオ系のエンジニアだ。 それゆえに良く判っている。
よく現代に復刻(復活)させたものだと感動し、感謝します。
復活の切っ掛けは、数人の自称「ラジオのプロ修理技術者」がテストループの必要なことをオイラのblogで知って、祐徳さんに、中古品の捜索依頼を掛けたことがが起因。テストループの内部構造と材質はオイラからも情報提供は行なった。
機械設計屋が作るともっと手間を省いた安直なものになるだろう。
入手希望者は、祐徳さんに問い合わせのこと。
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