バリコンの絶縁度、イオン化傾向。エアバリコンのプリロード管理。Qの大小。バリコンQと感度。

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1,「イオン化傾向」は高校でテキストで習う。 実験まで行なう学校はどの程度あるだろうか?

金属と金属をネジで締結する際に、異なる材質の金属であればイオン勾配(イオン化傾向)により接触面は必ず侵食される。時が経過すると目視で確認できるほど進んでいることが分かる。

水溶液環境にあると、さらに分かりやすい。 このイオン化傾向は「普通高校」で習う。

オイラは機械設計屋ゆえに、 イオン勾配差が少なくなるように材質を選んで使うことも時折ある。左様な分野の設計もする。強度・コスト・経年変化まで考慮しつつまとめるのが設計屋。イオン勾配を無考慮すると、室内環境においても致命傷も発生する。オイラは田舎住まいのエンジニアだが、致命傷になった装置をみたことは幾度かある。機械設計屋は雑多な知識を有する職業ではある。

2,さて、ラジオ系掲示版にて「とあるバリコンにテスターを当てると電圧値(起電力)が読み取れる。」 これが話題になっていたが、これは驚くことでもなく、ただ単に絶縁度が不足しているから、イオン勾配の差により起電力が発生しているだけのことだ。ケミカルな反応だ。これは高等学校で学んだ内容だ。或いは耄碌して忘れ去ったか?

 材質が異なる2つの金属が接触していると起電力は発生する。起電力の大小をみる目安としても「イオン化傾向」は使える。エアバリコンにおいて絶縁度が不足しているとテスターで起電力の数値が読み取れる。 高等学校できちんと学んでいなければ、起電力に驚く場合もあるが、普通高校で学ぶ範囲である。最終学歴が中学校ならば知らなくて当然である。

バリコン絶縁度は恐らく10の10乗Ωm程度は必要だろうと想う。バリコンの絶縁材についても往時は深く研究されていた。低品質から高品質まで幅広くあるようだ。まあ廉価なテスターで測定できる領域ではない。「テスターの抵抗計測で測定不能ゆえにOKだ」などと云う低い次元のお話ではない。ゼロが3つほど足らない.

日々吸湿する材料を絶縁材として採用したメーカーも往時あったので、バリコンの絶縁度には注意だ。

3,バリコンは感度と選択度に影響のある重要な部品だ。 「何故、感度と選択度に影響があるのか?」は基礎知識なので、オイラが云うほどのことはない。

経年し薄っすらと羽に汚れが見えるバリコンは感度が取れないので、可能であれば超音波洗浄した方がよい。軸受けへグリス塗布は必要になるだろうが、同じものを使わないと固着要因になる。グリスの同等品ではケミカル反応するのでダメだ。軸受けモノでは、同一メーカーの同じグリス型番で注油することは、エンンジニアの常識である。注意書きさえ貼られている商品もある。同等品では添加剤が異なり、これがケミカル反応するから、注油は無理だ。掛かるケミカル反応はいたってゆっくりなことが多いので時が経つと固着がわかる。 高音にさらされる場合、ケミカル反応の後押しをしてくれる。 グリス材が同一だとケミカル反応が起こらないので、軸受けへのグリス型式の情報を探している。

軸受けのプリロード量(予圧数値)の資料を持っていないので、回転時の正規な負荷は分かりかねる。メーカーによってプリロードが異なることだけは、オイラでもわかる程の差異がある。

また、エアバリコンサイズによってQが異なる。これもラジオ工作の基本常識だが、これに言及したSITEは少ない。大型VS中型ではQが3.5~4倍違う。 絶縁材料にもQは依存する。油脂まみれとドライでは全くQが違う。

エアバリコン Qで検索すると深い情報が身につく。

ポリバリコン採用自作ラジオで感度が不足するならば、エアバリコンを採用すれば大幅に感度改善される。 自作の真空管ラジオにおいてポリバリコンが使われているのを見ると、「感度は度外視」だと簡単に判る。

追記

ALI を見ると「ハンディテスターのレンジに20MΩの文字」が見れる。 廉価ゆえに精度はまったく不明だが、もう20年も経過すればエアバリコンの絶縁具合が判るハンディテスターが市場に現れる希望が繋がる。

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