トランジスタラジオ ift 調整。コイルコアにはペイントされている。このペイント色についてのJIS規定はない。業界ルールの有無は不明。赤色でないOSCコイルも流通している。
・OSCコイルでは、赤ペイント品が多く日本で流通している。欧州向け中国製OSCコイルだと色が全く違うので注意。
・OSCコイルは製造元が数社あり、巻線機から異なる。巻線機メーカー的には5社はあるはず。「巻き数が違う、タップ位置が違う」ので電気特性上の共通性はゼロ。したがって回路図には販社あるいは製造メーカーを指定する必要がある。「発振強度」 と 「バンド内の発振強度安定性」がまったく違う(oscさせてosc強度分布表をつくれば理解できると思う)。 IC DATAには巻き数比の指定がされており、IC毎に微妙に巻き数比が異なる。
・日本ではOSCコイル種としては少なくとも4つは流通している。
サトー電気のもの ⇒ タップ点がよくバンド下側での感度低下がすくない。トランジスタOSCには程よいのでTR式にはこれを推奨。ICラジオには少しOSC強い。
千石のもの ⇒C01とタンポ印刷されている。入手は楽。タップ点が外側なのでややバンド下側での感度劣化が確実にわかる。ICラジオではOSC強度面で程よいのでこれを推奨。
マルツのもの ⇒未だ採用せず。
AITENDOのもの ⇒未だ採用せず。
・欧州向けラジオ用のLが多いOSCがWEB流通しているので、これを調達してしまうと後々苦しくなる。「OSC不発時にはコイルが回路定数と合っていない」こともある。OSCコイルを変えると感度も変わるので必ず注意。
・セラミックフィルターは455表示品でも、村田データシートが示すように455.0ではない。慣れてきたら、SGで信号をいれてIFT調整しはじめるとセラミックフィルター周波数センターが判るようになる。
・これらはラジオ工作の基礎知識だが、これを知らずにいるweb master も存在している。そういうsiteが割合に人気でもあり、彼らは技術低下・知識低下に貢献している。
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半導体式ラジオ(am) でのIFTの周波数について確認をしておこう。
1,日本の1945年~1980年初頭 f=455kHz
1980年半ば~現在。 f=450kHzが主流。 455kHzは自作者に採用されている。ICデータシートには中間周波数の数値も公開されているのが多いので必ず見ること。
2, 海外では450,455,460,463,465,470,475kHzも流通している。オイラは475kHzのセラミックフィルターは持っていないが、他はある。村田製作所のものは村田ロゴマークが必ずある。マークのないSFUは廉価で流通している。475は買いそびれた。470はebayでも見かけなくなった。
村田も京セラもレゾネータ共振点はレーザー照射であわせてある。50コ/1バッチだった時代の京セラものならオイラも装置はわかる。その技術はオイラの知人が設計・製作していたので詳しい。
金石舎は技術力が高い会社だ。京セラに取り込まれてしまったが、金石舎のフィリピン工場へ装置納入した際に、京セラ側が技術が低く金石側が技術が高いことも体験した。会社規模と技術は無関係である。
、、、と本業は装置設計屋です。顧客側が経験浅く知識も乏しいことが多い。そのまま設計すると役立たずになるので気を利かして設計するとトラブルなく仕上がる。
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IFTの調整は、
1, 目的となる周波数信号を入れて、検波後の波形が最大になるようにコア位置を合わせる。
LC共振特性はセンター値に対して対称なこと少ないので、上側あるいは下側の特性が劣る。その劣り具合の補正も行う。 実際には目的周波数プラス5kHzとマイナス5kHzでの出力とIFセンターでの出力のバランスを見ながら、最大出力近傍になるようにコアを合わせる。
2, テストループから電波で調整した受信したIFTセンターと、信号線経由で調整したIFTセンターが整合しない( 結合C起因でズレル)ことが多いので、電波で受信し調整することをお薦めする。
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455kHz信号源として基板実装(RK-26、 RK-72)した場合には、「455kHzで発振しているか?」の確認にラジオカウンターRK-03(祐徳電子 販売)は使える。