オイラは、「2011年以降で LA1050の作例は市販キット品しかない」。
⇒2020年9月にTA7642でストレートラジオにした。(感度/SNよくできた)
実用になるのは上動画の自作ラジオ。
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LA1050を使うことに消極的な理由は、下のグラフを読めれば判るだろう。
・つまり「SNが30dBくらいしか確保できないデバイス」とメーカーが公開している。 実際にSNは随分と悪くてさほど積極的にはオイラは使えない。 (TA7642はSNが良いので、LA1050とは設計思想が異なるのがわかる)
・ メーカー製真空管ラジオの実測SNは30~45dB位。 これはLA1050よりは良い数字。
・オイラの自作真空管ラジオは低ノイズ・低ハムにまとめてあるので、実測SN60dBくらいだ。(メーカ製よりは格段にgood)
・LA1600で平均53dB(下画像参照). TDA1072でSN50~60dB。
・DSP chip 6952 で中波AM時はSN40dB丁度(データシート)。アナログのラジオICよりもSNは悪いね。この数字では音が良いとの評価は無理だろう。
・「ラジオでもSN50dBは欲しい」ことは欧日共通。つまりLA1050はノイズが強くても気にしない方向けのデバイスだ。SNが悪いと弱い信号はノイズに埋もれて、結果聞こえない。DSPラジオも中波帯ではSN40dBしかないので、これも音色を気にしない方向けのデバイス
・4インチウエハー時代のICだとは思う、SANYO が下請けに造らせていただろう。
2000年に突入してからもIC製造下請けの中小企業では4インチウエハー製造が使われていたのも事実。8インチに移行する資金がなく2005年ころに随分とclosedしたとその業界から聞いた。
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・LA1050のAGCは30dBのようだ。1960年代のトランジスタラジオでも50dBほどなので、LA1050のAGCレンジは狭い。もともと1.5V駆動で開発されたデバイス。 自作ラジオとしてはAGC50~60dBくらいはやはり必要だろう。
・ラジオICのTA7641でAGCレンジは50dB。 TCA440は65dBほど、TDA1072 は80dBもある。(TDA1072を実測すると70dBはある)
・AGCレンジ 100dBのラジオICとしては、TEA6200がある。DXerの無線機としてAGCレンジは100~140dBは必要らしい。
・LA1050は上記のようSN30dB、AGC30dB程度のデバイスだと理解して使うこと。過度の期待はしないように。
YouTube: synchronous detection: homebrew, trial
YouTube: メタル管ワイヤレスマイク 真空管インジケータ
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初歩のラジオの1985年頃雪季節にla1050が紹介されたのが、日本で最初の記事。オイラも雑誌購入した。
日本で最初にLA1050を市販量産ラジオに採用したのは、オイラが世話になっていた会社。春には20万個ほどLA1050ラジオを生産した。ライン担当はオイラと同じ年。SANYOも嬉しかったと思うよ。その会社はもう無い。工場跡地は宅地になって60軒ほど建っている。
オイラは田舎の機械設計屋です。