低周波発振器の出力インピーダンスは600オームです。この廉価品も600Ωです。
デジタルオシロの入力インピーダンスは1Mオームです。 低周波信号の波形観測には、インピダンス600オームでみるのが基本です。 Z=600Ωの信号をZ=1MΩでみるような間抜けなことをしてますか?
あなた間違っていませんか? 道具は正しく使いたいですね。
WEBを検索すると、Z=600Ωの信号をZ=1MΩでみるような間抜けが主流だと判るね。刊行本を見ても間抜けな計測した写真がUPされている。 もうすでに技術を捨てた日本です。
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MWラジオの調整について列記しておく。
AF出力をVTVM 或いはオシロで観測できることが前提になる。
JIS C6102-2によると
「標準無線周波入力信号は,適切な擬似アンテナ回路網を介して受信機のアンテナ端子に印加するか(第1部の表 III 及び図 5 参照),又は標準磁界発生器で信号を受信機の磁気アンテナに誘起させることによって印加する。」と定められている
今回は受信機の磁気アンテナに誘起させ調整する方法について列記する。疑似アンテナ回路網による調整方法は、かなり過去からプロエンジアの手で公開されているので、それを参照願いたい。
yahoo オークッションにて、ラジオを修理販売している方で知らぬ人は居るまい。彼等は、技術対価として金品受領しているのでプロエンジニアに該当する。プロならば知っていて当然のことであり概ね50年前からほぼ変らぬJIS である。
道具
1, テストループ(菊水、リーダー、目黒等のメーカー品のこと).開放線付ラジオでは不要。
2,基準信号発生器。 真空管タイプの場合は周波数が正確に読める周波数カウンターも必要。
3,オシロ。
4,VTVM。出来たら2CH.
5,低周波信号発生器。
上記4と5でインピーダンス600Ωで揃う。
「低周波発生器の信号を1MΩインピーダンス オシロで測る」ようなマヌケはお帰りください。
方法
AF部の作動確認をする。
・1st AFへ低周波発生器から信号を入れる。概ね10mV(VTVM計測)で入れて、SP端での波形をVTVM経由のオシロで観測し・VTVMでの値を確認する。
・周波数特性に凸凹があると聴感ではそれが判るので、250Hz近傍~4.5kHz近傍まで低周波発生器から信号を入れて特性を確認する。
・計測できた特性をみてカップリングコンデンサーやバイパスコンの容量変更により対応できるようであればフラット特性に近づける。概ね±2dBに収めることを目標にする。
・所謂、残留ノイズ値とその波形を確認しておく。半導体劣化による雑音上昇の有無確認に将来使えるので値は保管しておく。
・低周波信号が強く入るようにVRを上げていき、SP端で歪出す入力値を確認する。 この時に「1st AF あるいは2nd AF どちらが先に歪むのか?」を確認する。→同時に歪出すのが理想であるが、現実的には困難なので1st AFがやや先に歪出すように動作点を変更する。(後段が最初に歪出しても耳ではわかり難いので、1stがやや先に歪むようにバイアス変更する)
IFを455.0kHzに合わせる(仮調整)
・基準信号発生器で455.0kHz(30%変調、トーン400Hz)を発生させる。55~75dBu程度。
・その信号を有線でラジオのアンテナ側に入れる。カップリングCは不要。(本調整は電波で行う。有線で入れたものと電波飛ばして調整したものでは差異が発生することが多いので、電波を受信する機器ゆえに電波で合わせる)
・SP端での波形を見て、VTVM値が大きくなるようにIFTを合わせる。コア形状に整合した調整棒を使うこと。材質は樹脂orセラミック。
ヘテロダイン部での作動確認/調整。
・SSGから有線でアンテナコイルに信号を入れる。SP端でVTVMにて値確認/オシロで波形確認。
・受信可能範囲を確認する。 OSCコイルで下限周波数/バリコントリマで上限周波数が変えられるので、MWならば530~1610kHzを受信できるようにする。
・局発の強さが感度に強く影響するので発振強度確認は必ず行う。トランジスタラジオでの適正値は奥澤先生の本に数値がある。真空管ラジオではNHKの本に数値記載されている。学習するかどうかで技術向上具合は違ってくる。著作権上その数値は列記できない。
MWでのトラッキング (磁気アンテナ式:所謂 バーアンテナ式)
◇SSGからの信号を「有線→テストループ」に換え、電波で調整する。
1,SSG 70dBu近傍にて600KHz(30%変調、トーン400Hz)を電波で飛ばす。
ラジオのバーアンテナのコイル動かし最も感度が出る位置にする。コイルによっては位置差0.1mmでも感度差が明確になるので確実に追い込む。
2,1400kHzに周波数を変えて、バリコントリマーを調整して感度最大にする。
3,SSGの出力をやや下げて、上記1⇔2を繰り返す。
4, 感度凸凹が収まってきたら、SSGを455kHzにして電波でIFTを合わせる。IFTによる帯域外減衰量が455の上下でほぼ等しくなっていることを確認。
5,再び 上記1⇔2を繰り返し感度差を±3dBに収める。 可能であればレンジで4dB.100台程度調整していると稀に感度差0dBなものに遭遇する。
6,受信可能周波数上限、下限を確認する。
7,最終確認として任意の周波数(仮に800kHz)の信号を電波で飛ばして、受信周波数を合わせ、IFTコアを僅か回し感度最大点を確認する。 この時IFTによる帯域外減衰が均等なことを確認する。
8,バーアンテナのコイルがズレぬようにボンド系で固定する。(アロンアルファ もOK)。固着するまで放置。テストループもその位置で放置。
9,固着後、感度点がずれていないことを測定器で確認する。この後、測定器類は撤去。
◇注意:真空管ラジオでは信号強さによりIF球の内部Cが変化し、中間周波数が揺らぐ。対応としては信号を強弱させてバランスの良好な点を選ぶこと。 FM変調では、信号強弱により内部Cが変化することを利用している。
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測定器レスの場合: 50年代の雑誌によれば「放送局を信号源にした調整に1週間費やす」ことが公告されているので、かなりの根気と時間は必要。
知識レスな修理SITEが乱立しているが、JISに沿って進めること。
もっとも知識レス者は、スマホのように直流を流下する機器を音源として、ラジオのPUに接続している。 幸運にしてどの程度の電流が真空管のグリッドに流れ込んでいるかはテスターで測れる。真空管のグリッドに外部直流を印加していることに気つかない技術水準で、ラジオ調整を行うのは無謀である。
BLUETOOTH レシーバーも型番によっては、直流カットコンデンサーが不存在である。つまり電流が外部へでてくる。これをそのままPUに接続する勇気はオイラにはない。
技術の低スキル化を後押しすることは、避けたいと思う。