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真空管ラジオの外部入力の使い方 で触れたが、iphoneのように超低インピーダンスで出力される機器を使うには、インピーダンス変換のための機器が必要になる。1~2Ωは充分に超低インピーダンスだと想うが間違いかな?
真空管は入力電圧を増幅動作させる機器ゆえに、入力電圧が不十分だと望んだような動作はしない。このことはwebにも多数情報が上がっている。
FMラジオ(IC)の出力インピーダンスを2オーム近辺まで下げて、外部入力へいれたら「音として出てくるのか?」を粗い実験をしてみる。
amateur radioのライセンスを持っていたり、電気科卒業であれば、学んだ基礎知識の範囲ゆえに読み飛ばすように。
至って粗い実験ゆえに、詳細はご自分で追実験されたし。
低周波発振器の出力をVTVM読みで1Vにする。発振器の出力インピーダンスは600オームなので、E=IRによれば 1÷600=負荷電流になる(粗いが理論価)。この数値は1.7mAくらいだろう。
近年のCDプレーヤからの出力は1Vもあるらしいが、真空管ラジオ全盛記のプレーヤー、チューナーからの出力は100mVが普通。
したがって上の写真のように低周波発振器の出力を1Vも真空管ラジオに入れると入力過多になりやすい。真空管ラジオ側からみて、充分すぎる入力量だと言えるだろう。
ラジオのAF段調整は、この低周波発振器に600オームの外部アッテネーターを経由させて0.1dBステップで特性測定する。
①、ここから実験。
FMラジオへ信号を入れてイヤホンジャックからの出力を波形で確認してみた。真空管ラジオ外部入力へいれたら、ラジオ側SP端での値もしっかり出てくる。
②擬似的に負荷を下げてみた。波形がガツンと小さくなった。真空管ラジオのSP端も値が小さくなった。
2.2オームの抵抗を並列にいれたのでFMラジオから見ると600オーム負荷に2.2オーム負荷が並列にはいったようにみえ、総合的には1.7オーム近傍になる。iphoneの数値に近いはず。
概ね35dBも下がっている。「600オーム⇒1.7オーム」で35dBもレベルが下がるのか、、。真空管ラジオのAF部は40~45dBの増幅度なので、40dBー35dB=5dB。
つまり、もとの音源から5~10dB程度増えただけなので、低いインピーダンスからの信号を入れることはお薦めできない。トランジスタ1個で25dB程度は増幅できるので、トランジスタ0.5個程度の増え方しかしていない。
③FMラジオからの入力はやめて、低周波発振器から入れた。
普通に鳴る。
④ST管ラジオにチェンジして、試しにFMラジオを音量最大にしてみた。波形は歪んでいる。真空管ラジオの外部入力にはつながっている。
0.3Vレンジで示された数値は0.27V前後なので測定器側へのinputは43mWの計算になる。もともと0.5W位は出るのだが、10分の1程度に減っている。理由は不明。
FMラジオ(IC)から真空管ラジオへ入力は、「この真空管ラジオ側で切り替え」できるので、ラジオモードにしてもVTVMの価変化なし。(真空管ラジオ側でパワーを食っていることはないようだ)
⑤次にST管ラジオ側からも音になってでるか?
入力レベルを0.1Vにさげて真空管ラジオのSPでVTVMを測ると普通にでてくる。
ST管ラジオもロクタル管同様に出力される。(当たり前や)
⑥FMラジオからのOUTPUTはやめて、低周波発信器から0.1Vいれてみた。
普通に音がでてくる。当たり前だ。これで調整しているのだからね。
まとめ
・実験のように、出力インピーダンスが1.7オーム前後でも、ラジオの外部入力への信号レベルが0.1Vもあれば真空管ラジオから音がでる。音源インピーダンスと外部入力インピーダンスがかなり離れていても音量としては出てくる。(音質は不問)
・スマホは持っていないので、どの程度の電圧が負荷(真空管ラジオの外部入力)に掛かっているか不明。スマホからの音が出ない(小さい)理由はインピーダンスによるものだけでは無いだろうと推測できる。どちらにしろ、1500円のICラジオより格段に低いことはないだろうが、負荷をドライブできなきゃ駄目だ。(音源としてのドライブ能力は1500円ラジオより劣る??)
・仮にDC(直流)が次段(後段)に流入する回路(direct drive speakers)だとすると、電流量によっては次段のデバイスを破壊することは避けられないだろう。 安全側に倒して設計するのが王道ゆえに、設計思想としては???。(はずみで負荷抵抗がゼロ。つまりショートしたら煙がでたり、匂いがするかも? 過電流時の保護回路は入っているとは想うが、勇気ある方は実験してもらいたい)
保護回路が機能するまでの時間を規格表で確認する必要があるが、1mSEC程度は掛かるじゃないかな? 1msecが長いか短いかは、これが参考になる。
菊水の安定化電源を5V 0.1Aに設定して、出力側を短絡させると電流値メーターは振り切れるので、見ていても精神上あまりよくないから真似しないように。
・audioマニアは、iphoneを真空管ラジオへの入力源とは採用しないから大丈夫だろう。
★参考に、FMが受信できるトライアンプとして有名なAF-10の回路を上げておく。(TRIO⇒Accuphaseの変遷はご存知ですね)
外部からDC(直流)が流入してくることはAF-10の設計思想にはない。WEBで「真空管アンプ 回路図」と検索すると回路図をみることができる。 これを見ると「DCが流れ込んでくることを前提とした真空管回路」を発見することは楽ではない。
アキュフェーズが初めて市場に出た時は驚きでしたね。オイラより上の世代なら、覚えておいでですね。
TORIOではなくTRIOです。 間違えている方を頻繁に見かけるので、ご注意ください。
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追記
webで拾った。direct drive speakers。
このまま往時のST管ラジオのPUにつなぐと、、、、そりゃ無理。真空管のグリッドがカソードからみてプラス側に見える or 見えない?。とても無謀な接続になる。audio愛好家は知識も備えているからこういう無謀な接続はしないはずだ。
真空管ラジオ側のAF初段球のスペアを用意してから挑戦することをオイラは薦める。
★半導体のキットでは下の回路のようにspにdcを流さないことが多い。(これならPUに入れても成立する)
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追記
iphoneと真空管ラジオを直接つなぎたいお方から、「回路図で書け」との質問が来た。
知識があれば上記説明で理解できると想うのですが、。考える力の弱いお方のようだ。
direct drive speakers(iphoneなど??)から、往時の真空管ラジオ側につなぐと仮定する。
真空管のグリッドには音源側のDC(直流)が印加される。
上のような接続だと真空管が痛むので、
抵抗負荷或いはインダクター負荷にする。 最近はアナログ用フォトカプラーも歪み率が低いので手立ての一つにあげられる。「痛む」を承知して使うのも1案です。
音の良い段間トランスは廉価ではないので、費用は覚悟のこと。
次段をドライブするエネルギーがあることが大切。 ドライブパワー不足かどうかも確認必要。
また、ご存知のようにラジオのAF部はLPFが入っているので高域垂れになっている。真空管ラジオでは3極管の+Bにある100PF(200PF)。それにOUTトランス1次側のコンデンサーで音域の特定点を持ち上げた特性にしてある。
ラジオAFの特性まで加味し接続することは、当然の帰結になる。
5月27日追記
OCL回路のIpod,スマホ等を音源として鳴らすST管ラジオ。
Ipod・スマホ用中間回路基板はこれ。
スマホからの出力をVTVMで計測したのがこの表。 概ね2桁ほど信号が小さい(弱い)ことが分かる。 それゆえ上の基板のような増幅回路がほしい。
信号用トランスで昇圧させてもよいが、インダクタンスによる共振周波数にも注意しないとフラット特性にはならない。1000円以下で手に入る信号用トランスは特性上使えない。