パワートランスの表面温度が掲示板で話題になっていたので、加筆しこのblogでもUPしました。
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真空管ラジオや無線機では、パワートランスを通電しますとやや暖まってきます。
①「発熱と放熱のバランス」が取れた温度で安定した温度になります。部屋の片隅や背直面に壁では通気性が劣るので、放熱は苦しくなります。(熱が篭る)
夏と冬ではあからさまに表面温度が違うので、夏のこの時期は空気が上手に流れて自然空冷しやすいような処に置いてあげないと熱が篭るので注意ですね。
②「パワートランス使用時はどの程度の温度までokなのか?」は、絶縁物ごとに違いますのでご理解ください。豊澄のPDFに絶縁物ごとの使用上限温度が明記されています。富士電機でも同じでしたのでJISで定めがあると想います
http://www.toyozumi.co.jp/notice/notice.pdf
サーボモーターなど巻き線物には保護用に70℃のバイメタルで温度過昇時には通電断する回路を入れてますので、余裕をみて60℃を判断基準にすれば安心だろうと想います
通気性がまずくない環境で、「目安としての60℃」を超えるならパワートランスのレアショート、供給容量不足や各部所配線間違いなどの要因がないかを疑うことになってきます。
温水器でも60℃の湯は出せるので、熱いですが触って感覚を確かめることもありです。
③もしも、とても気になるようなら坂口電熱の「サーモスタッド」を貼り付けて温度過昇時の保護回路にしてください。
http://sakaguchi-dennetsu.co.jp/lineup/ondo/thermostat/bimetal_ip105a.html
保護回路ですので、当然A接点、B接点があります。オイラのblogに来られる方は意味がわかると想います。
坂口の先代社長には特注品で幾度も御世話になりました。御礼申し上げます。仕事柄、具合良い量産品がない分野での設計がオイラの本業。
④発熱量が多くてパワートランスを疑うのであれば、UZ-42を6Z-P1に差し換えて様子をみます。(ヒーター消費の小さい球に差し換えて確認)
+Bの容量不足ならばVRを上げても音量が追従してこないので判り易いですが、ヒーター系は定格の小さい球に差し替えて発熱具合を確認することが多いです。
⑤パワートランス以外の熱発生では
1)平滑回路の抵抗のワット数を上げて発熱を抑える。
平滑回路の抵抗では、2W 2KΩよりも「2W 1KΩ+2W 1KΩ」或いは「並列で2KΩにする」の方が表面積が多く放熱性があがりますので、発熱に対しての工夫のひとつです。オイラも時々採用しています。発熱面とハム音から平滑回路では「低抵抗多段式」を推奨します。
2)AF段のUZ-42(6Z-P1)の動作を軽くして+Bの消費電流を抑える。メーカー製真空管ラジオではAF2段目の6Z-P1や6AQ5の動作点が浅目のようです。もっと深くてOKのように想います。オイラは-8V~-12Vになるようにしています。
これはVRを上げていった折に「AF段の1段目、或いは2段目どちらで最初に歪ませるか?」と音に対しての設計思想も入ってきます。VRを上げて聴きくらべて、自分でどちらかを選びます。
余談ですがトランスレスでは30A5(35C5)の動作点は浅すぎるので、必ず手を加えています。(データシートから推奨動作点を読み取れるチカラを皆様お持ちだろうと想います)
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