降雨で増水を考える。
河川の護岸高さは、ある算出式の元に決定されている。 決定するのは公務員だ。
過去100年の降雨データ及び統計学的処理により、設計最大降雨量が算出される。
・河を流れるので流速をマニング公式等から導きだす。 ここでこの流速が実態に近いものかを確認するのも公務員のお仕事。
この流速が速ければ護岸高さは低くて済む。遅いと水面が高いので護岸高さ必要。(河川断面積、流量、流速 の3点から 水面高さが算出される)
◇ただ計算式で導かれる速度ほどには日本の河川は流速が出ない。公務員はこの事に注目してない。マニング公式では、石・流木によって有効河川断面積が減少する事実は無視されている。
・平時雨量ですら土石流より速い速度が算出されるマニング公式は充分に奇怪しい。その奇怪な式を採用することが、現実から乖離していると思う。
残念だが、流速が計算よりは遅く水面が高くなり、結果的に護岸を乗り越えて浸水する。
◇現実の流速にあった護岸高さに設定すればよいだけのことだ。まあ、土木系基礎知識を有する公務員がどの程度存在するか??? 、、だ。
◇統計処理;
30年の観測データから100年の最大値を統計手法で算出した値を a1としよう。
同様に30年データから50年の最大値を統計手法で算出した値を b1としよう.
多くの場合 a1 < b1 になる。 つまり「100年に一度の大雨は 50年に1度の大雨より少雨になる」。これは自分で計算すれば判る。ロングスパンで統計算出すると落ち着いた解に至る。
つまり統計手法の罠に陥る。さて国交省の職員がどのくらい気ついているか?
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オイラのような田舎のおっさんですら統計手法の奇怪しさに注目している。土木は守備範囲ではないが、大学では流体力学を触ってきたので、多少は判る。
本業はFA機械設計屋です。