トランス付きラジオのハム音低減。
60年前の古書にも記載があるので公知である。 そのことを知らぬ方が多数になり発言力を有する時代になった。
ハム音の低減策について、「そんな事聴いていない」「それは知らない」と申すのは勝手だが、己の学習不足を露呈するだけですね。「ハム音が強くなるようにヒーター配線し、修理しました」とyahooで堂々と販売する時代なので、どうやら先例に学ぶことを好まないようですね。
「ハム音が強いラジオからの音は心地よいですか?」
オイラも 、この回路図のように平滑回路を多段(7段)まで増やすこともやってきた。2013年のことだ。
まあ7段だと投影面積が広いので、「何段まで減少させても、ハム音が増えないか?」をトライアンドエラーで確認していったのが、この回路図だ。
最近は上図のようにしている。
◇3.3μF 450Vを2個使っている。
出力管6Z-P1のスクリーングリッドにコンデンサー3.3μFを吊り下げて+Bのアバレを軽減している。これは60年前からの公知技術。オイラはそれを知っているだけのことだ。SGに吊るす電解コンデンサーは1μFあればOK。SG用では10μFも必要ない。
「スクリーングリッド変調」の名を知っていればSGの重要性も知っている。
◇平滑回路抵抗は 220や330Ωの低い値で十二分にリップルは減る。このような低い抵抗値の平滑回路で100台以上自作し、低いハム音ラジオにて動作中。
◇ST管ラジオ全盛期には、「プレート電圧が高いほうが良い」との設計思想で製作されていたので、+Bは総じて高く、「7極管のノイズが強い領域の電圧」でつかわれていた。 220V近傍から上ではSNが落ちるので、6WC5,6BE6はノイズが少ない電圧で使うことをお薦めする。
動画で紹介済みだ。
YouTube: 真空管ラジオのブーン音はどこまで小さくなるか?
◇ここでもリップルについて記してある。下の細かいのが60HZリップル。平滑回路最下流での計測で、0.5mV程度。
◇回路図上に反映されないノウハウが、「平滑回路のコールド側をどこに配線するか?」。
これの良し悪しでハム音が5~6倍くらいは違ってくる。
重要度は、「コールド側をどこに配線するか?」>>> 「+Bのリップル」だ。回路図を見るより実装具合で確認した方が実力がつく。
自作ラジオの写真はそこそこ上げてある。くわえて上のノウハウも写真からみて取れるようになっている。と明示済みだが、実装写真を眺めにくるのは統計上0.1%にも届かない。 まあそれじゃハム音が強いラジオが主流になるのも頷ける。
◇ヒータラインも、真空管ハム音が低くなる側を接地する。これも60年前から公開されている技術だ。
◇ ほとんど知られていないノウハウとして、「ヒーター容量 VS 負荷」の関係も列記しておく。