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AMでの乗算回路を眺めていた。CQ 誌1979年2月号に「変調トランスレス変調」が記載されている。当時、特別なネーミングはないようだ。1970年~71年に公知された泉弘志先生の変調回路も「変調トランスレス変調」だが、これと云うネーミングはない。
JH1FCZ氏のFCZ誌は1976年からなので、 それが2番目の記事になるだろう。AF用ICの出力(等価回路上ではトランジスタのコレクターに相当)から電流を流して、被変調トランジスタを駆動する。これは泉浩志先生の回路と同じだ。 泉先生の回路は、トランジスタで被変調トランジスタ駆動する。共に被変調トランジスタを 半導体経由にて信号重畳した電流で駆動させる回路だ。
DSB with carrierになる。
この記事中に通称「変調トランスレス変調」回路がある。オイラの手持ち資料ではこれが3番目に古い。
一番古いのは泉弘志先生の記事だ。(1970or 1971)
真空管6WC5での変調波形(ワイヤレスマイク)を挙げておく。7極管1本で「OSC」と「乗算」してくれる重宝なアイテムだ。
6SA7,6BE6,7Q7も同じ波形になる。
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加算回路での変調具合。抵抗4本のブッリジ回路で「搬送波+信号」させた。受動式加算回路。
ラジオで受信できるので「変調が掛かっている」が「波形は加算回路のもの」。広義での変調。A級動作回路をトランス変調しても、この「加算回路による変調」になる。
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次に、3SK114を使った変調波形。能動式だ。雑誌記載の回路そのままで実験。明らかに 「加算回路による変調」だ。
雑誌には変調が掛かると明記されているが、広義での変調になっている。これが「変調が掛かった波形」なら上記の抵抗ブリッジによる波形も 変調が掛かった波形と強く云える。
波形からみて、「3SK114使用なのか?」
「単に結線したのか?」 の回路違いは見つけられない。
かなりのマイナスゲインなので注意。 抵抗ブリッジによる加算回路の10倍以上ロスる。 損失大にてオイラは推奨はしない。
雑誌等ではロスの大きさについての情報はない。
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これは、「変調トランスレス変調回路」のひとつ。 下側がクリップしている。
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タンク回路レスでの「変調トランスレス変調」。 ラジオで聴くと深い変調だ。両波でなく半波。
過去の実験詳細はここ。アナログに興味のある方はどうぞ。
オイラの本業は省力化機器の機械設計屋だ。