本稿は2018年5月の再掲になる。
「リップル率 0.00001%」の真空管用電源(自作例)を公開している。
真空管電源の自作技術としては リップル率 0.001% はクリアしてほしい。そうすれば製作ノウハウが会得できる。
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問 : 整流リップルでは、減衰量で考えるのか? それとも リップル率で考えるのか? どちらですか?
トランジスタによるリップルフィルターの実力は、ここで2012年には公開してある。 リップル考察の他にも、雑多な項目で確認してはある。
真空管用電源トランスからのAC180Vを整流した波形について記述済みだ。
◇観測点①でこのくらい. 180v上のリップルが3Vだ。仮にDC18Vとすれば0.3Vになると推測される。
◇トランジスタによるフィルターを通過させた波形。
リップル率は実効値計算なのでルートがでてくる。
リップル率=リップル電圧/定格電圧 x100(%) = 0.070v/165v x100(%)= 0.04%
減衰量としては3v⇒0.1vなので 29.5dBほどになる。
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一方、オイラが推奨する低抵抗の平滑回路の出口では、この程度になる。
100MHz程度のオシロでは計測不能のリップルまで下がる。トランジスタ式フィルターではここまでの性能はでない。しかし刊行本ではトランジスタ式フィルターを推奨しているのは、机上エンジニオアの声が大きいからだ。
現実には、アナログオシロでは計測不可だ。
仮に1.2mVだとしたら,実効値0.84mV
リップル率=リップル電圧/定格電圧x100(%)=0.00084/90x100(%)=0.000013x100(%)=0.00093%になる。
減衰量とすれば68dBだ。
現実は測定不能な減衰量にはなる。
繰り返すが、この実験は2012年7月28日にUPしてある。基礎実験のまとめ 4
この時はFMワイヤレスマイクの発振回路によっては、商用電源リップル起因のノイズを拾いそれがFMラジオ側で聞こえるので、原因調査していった。
刊行本には載っていない情報の一つに、接地側を利用した発振回路(共振LCの片側が接地)利用したものは、音が濁るのが常識。基板あるいはシャーシで捕獲したノイズを引き連れて発振する回路だ。FM帯ではそれが判ってしまうほどノイズを引き連れてきた。
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次は、比較的最近の実測。電源の平滑回路最下流で計測している。
これは2017年4月にUPしてある。
バーとバー間でおよそ1秒なので 7ヘルツのノイズがどこからか来ている。その上の細かいのがリップルだ。ひとつの舛目で2mvなので0.5とか1mV程度だろう。雑多なノイズが飛んでいるのが判る水準ゆえに、本来ならばシールド小屋で測るべき内容になる。
1mVとすれば実効値0.70mV
リップル率=リップル電圧/定格電圧x 100(%)= 0.0007/195 x100(%)=0.00035%になる。3端子レギュレータやWEBで見られる定電圧回路では到達しえない数値になる。
自作真空管ラジオでも、この位の数字にはなるので、真空管ラジオ電源平滑回路の最下流ではリップル電圧は1mVとか2mVとかがネライになるだろう。
もしも ハム音に苦しんでいるならば オイラのマネで平滑することも手立てのひとつだ。
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NJM7800シリーズのデータシートをみたが、入力Maxは35Vあるいは40Vだ。ノイズを45~120uVも流出させる。これSSGだと30dBuV近傍になるのでラジオでガツンガツンと聞こえる。実際に電波で飛んで飛んでラジオ電波をマスクする。
ノイズ周波数は、制御周波数とイコールだが100kcから上はデータ公開されていない。しかし他メーカーは公開しているので、「公開できない日本人特有の理由がある会社」と推測されてしまうね。
リップル除去で60dB取れると仮定し、 3端子レギュレータ出口で1mVppならば3端子レギュレータ入口では1Vppリップルがあることになる。 データシートでは2Vppを入れて計測しているが、其の波形は実際によく遭遇するノコギリ波形との相関係数は不明である。測定回路は明示あるが入力波形形状についての情報はここにはないようだ。尖り部が後々にノイズ値に効いてくる。
「現実には整流素子直後では、トランスのAC電圧とほぼ同じ電圧のノコギリ波形がある。、DC電圧が30Vppなら30Vppのノコギリがある。」ノコギリ波形をその意味でリップルと呼ぶならばリップル(pp)は30Vppになる。一段抵抗を噛まして3端子レギュレータに入れるか? 入れないか?
◇例えばAC180V出力時の整流素子直後の波形では、
下のようにノコギリ波形になる。これと相似あるいは近似波形を生成して計測するのがより客観的根拠が強いだろうと、、。この辺りは「プロエンジニアが現実に近いもので計測するか、かけ離れたもので計測するか?」。ここは、エンジニアの良心が試されている。
日本では現実とかけ離れた波形を入れてニヤニヤしているのが実態だ。
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真空管ラジオでのシリコンブリッジ通過時点の波形。メーカーはこういう波形を入れて計測すべきだが、行わない。
「仮にこれが30Vppだとしてダイレクトに3端子レギュレータにいれたならば、30Vppが3端子レギュレータを経過して幾つまで下がったのか?」のデータはメーカー側からは非公開である。
上のような波形で213Vほど出てくる。シリコンブリッジにて整流しているので電源周波数の2倍の周波数(周期は1/2)になる。
これは直流とは呼びつらいが、負側がないので直流ではある。綺麗ではない直流である。減衰量(リップル除去比)として考えた場合に、「213Vpp⇒いくつに減ったのか?」で考えるのが正しいのか?
減衰量60dBならば 213Vpp⇒0.21Vpp
減衰量80dBなら 213Vpp⇒0.021Vpp(21mVpp)
減衰量100dBなら 213Vpp⇒0.0021Vpp(2.1mVpp).
たまたま2mV以下のリップルになるので低抵抗による平滑回路での減衰量80~100dBはあるように思える。整流波形に対してはリップル率で考えるのが好ましいように思える。CR回路でこの程度取れればよいように想う。
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領布中の「5球スーパーラジオ用 3段平滑回路基板キット」を使えば真空管ラジオでは、オイラと同じ程度のブーン音が判らないラジオをつくれる。シリコンブリッジはノイズにならない新電元のものを使っている(これが最も重要)。
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「アナログオシロでは捉えれるが、デジタルオシロでは捉えれない波形がある」ことは、精密部品搬送機を設計してきた折に確認もでき、その会社全体での共通認識であった。その会社は業界第1位で年500億円程度の売り上げはある。その環境で液晶のテクトロオシロも触って来たが、ブラウン管映像とはやや差がある。
また、オイラは「FFTは小野測器」と思っている古い人間でもある。日産自動車が立ち合いに来たときも小野測器FFTを持参してきた。