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ラジオ工作での発振トラブルに関してのお問い合わせがありましたのでここで申しあげます。
トランジスタラジオキットで発振してしまう場合の要因として
①IF段の455kHzの信号がバーアンテナに戻ってしまう。(正帰還発振)
これは部品配置が下手なキット(中華人民共和国産)に頻繁にみられる事象で、
(1)IF段のゲインを下げる。
(2)バーアンテナコイルをIF段から遠避ける。
(3)キットを捨てる。
の対抗策が思いつく。
80~90年代の日本製キットでは、この事象に遭遇していない。まあ、SHOPで取り扱っている中華製キットは入手前に配置写真でよく調べてみることをお薦めする。
下の写真は、オイラが製作したキット品のなかで最も帰還発振したラジオキット。定数を変えてIF段のゲインを下げてはある。455Khzの戻りを防ごうとして、日本製キットだとIFTは後段ほどバーアンテナから遠ざかるレイアウトが多い。
(6石スーパーだが、電池のお陰でバーアンテナのQが下がり、かなり聞こえないラジオになった。ここまで下手なレイアウトもある。 反面教師ってやつかな・・・)
②ダイオード検波での検波後のLPFが甘いので、検波し切れない455kHzがそのままaf段で40dBほど増幅されて、SPからOUTされる。 SP線からの455kHz電波放射も加味されてバーアンテナコイルで拾って発振する。
中華製キットのLPFを計算すると、ええっと想ったが計算間違いではなかった。
入力或いは出力トランスレスの場合は、このLPFの効き具合が肝になる。可能な限り高周波はAF段に入れない、増幅しないように定数を変更することが必要になる。
★近年の雑誌に載っていた製作記事にはハイパスのCが無いまま製作した記事(写真つき)もあったが、そのままTRYしたら案の定実際に発振した。やれやれ、日本も、お隣と大差ない水準なんだろうと想う。
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WEB CQ誌での有名なSITEをみたが、ダイオード検波の能率についての記述が発見できなかった。オイラの探し方が悪いのか???
真空管ラジオ時代では、2極管検波能率についての記述は幾つかの雑誌で読める。
検波のLPFの定数の決定方法もWEB記述では発見できなかった。その意味では真空管ラジオ時代の本を手に入れて学んだ方が知識も深まると感じた。