if段用IC : MC1350P。振幅信号を扱えるICなのか?(再掲)⇒ 記憶通りに無理でした。

MC1350と云うICについて。

・回路網が同一ICとしてMC1590,MC1490がある。MC1590は有名であるので皆既知だろう。 

・差異としてMC1590はCAN。MC1490はDIP。1973年刊行誌には動作データが載っているので1970年から1972年ころの市場投入品。

・等価回路上ではシリコン生成によるR値が2点異なる。結果作動ゲインが違うようなデータシート表記だ。

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MC1350は FM専用ICのはずだが、、、との思いで基本項を確認はじめた。 振幅信号での使用は非推奨だった記憶がある。

あえて振幅信号を扱いMIC-COMPを造ろう、、と。天邪鬼的思考、。mc1350の後段に真空管を入れよう、、と。

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繰り返すが、MC1350は FM専用ICのはずだが、、、との思いで基本項を確認はじめた。 振幅信号での使用は非推奨だった記憶がある。

電源電圧と動作点の関係を確認する。 5mVくらいの振幅信号を入れてみる。AGCピンは開放。

直線性(リニア性)が振幅信号では要求される。 音の良いAMPはA級動作だ。 わざわざAB1、AB2にするのはセラミック球くらいだ。

右側が印加信号。左側が出力。

メーカー推奨電源電圧が12Vだ。 しかしこの12Vでは、動作点が良くない。 上側が伸びすぎている。シート上ほどのゲインにはならないので飽和にはまだ遠い。真空管でもここまで酷い波形は出ない。

・メーカー推奨電源電圧では振幅信号は扱えない。FM専用ICだろう。

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電源電圧9V位。

今度は逆に下側が伸びている。 電源電圧をさげたら増幅度が増えた。、、と12Vはベターな動作点でないこともわかった。

電源電圧を0.1V単位で決めてやる必要があるICだ。

この電圧だとFM信号しか扱えない。

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7Vに落としてみたが、駄目だ。

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電圧を戻してみた。8.5V位。

こりゃもっと駄目。 電源電圧によって動作点がフラつくことを確認した。 ラジオICではこういう動作をするICにまだ遭遇していない。

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電源電圧は6Vくらい。

上とはまたまた違う。 

、、と云うことは振幅信号を扱うのであれば、ベターな動作する電圧を抵抗可変式で決定する必要があるICだ。 やはりFM信号用ICだ。この後段にリミッターを入れてFM用に使うのが正しいだろう。

データシートではクワチャドラ検波前段のIFとして扱っているので、メーカー推奨としてはやはりFM専用だろうね。「このIC登場時に45MHzや60MHzでリニア増幅IFが必要だったのか?」の背景も考慮する必要がある。

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この電圧近傍でベター点がある。VTVMの差を12V時と比較すると、この電圧は推奨できる。

振幅信号を扱うのであれば4.9V前後で0.01Vステップで追い込む必要がある。

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20分通電しながら観測していたら、1点???だ。

不幸なことに、電圧一定でも出力が2dBほどゆっくりと増減する。 電源が安定していても動作点は揺れていることが判った。 正直に云うと、SSB,AM用途には不向きなICだ。

「振幅信号では怖くて使えない」のがオイラの感想。

・製作例が誌上にもあるが、基礎実験していないようである。

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考察

・例えば電源電圧12V時には5番ピンに約6V出現。

・制御電圧を5番ピンにかけて0.2mA弱注入できる回路がAGC回路になる。

・制御電圧が逆流すると苦しくなる

・無信号時にはAGCモードに為らない制御電圧

・波形と増幅度では5V近傍で動作させるICなことは事実。

・動作点がゆらぐ特徴があるので 製造時にオンライン分類選別しているだろう。上等品なのがMC1590.次がMC1490あるいはMC1350だろうな。そうでなきゃ「等価回路が同じだが。3種型番存在する謎」の説明ができない。

・メーカー公開の等価回路: 

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・電源電圧で動作点がフラつくICだ。

・オイラの記憶通りに振幅信号向きでなく、fm用デバイスだ。

・仮にssb/amなど振幅信号を扱うならば作動電圧を充分管理するように、、。外部抵抗でアジャストする必要がある。6Voutくらいで分圧するのが投影面積上有利だろう。

・動作点のゆらぎへの対応は、強いAGCしか浮かばない。常時AGCが掛かる使い方しかできないな、、、。

そこまで深く考えた製作記事は近年無いことも分かった。もともとFM only だからね、、。

このデバイスを使った製作例があれば、まずは疑うことをお薦めする。

イーエレさんではFM用ICに分類されている。 よく判っていますね。




・繰り返すが、適正電圧ゾーンがかなり狭いので、そのゾーンで使うように。動作点の揺らぎ対応を検討すること。

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特異な条件下なら振幅信号(ssb/am)が扱えることが判明したので、どう制御するか?を思案したが、、、無理??。

もっとも常時AGCだとMIC-COMPには使えない。小信号入力時には、制限なし状態の必要がある。

「FM用IFしか 使い道がない」なあ。MC1490が届いたら再挑戦だね。

・最後に、455kcでの増幅度はカタログデータほどは無いことを確認した。 やはり、チャンピンデータだった。

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オイラは、機械設計屋なので デバイスの挙動についてはメーカーデータを妄信しない。妄信しないことが良い装置をつくれるかの分岐点になる。 

基礎実験せずにic使用して下手した最近例では、LM567がある。ever599のあれである。マルチショットに為りやすいicなことは後実験で分かった。入力側にダイオードクリッパを入れるのは悪手である。2次高調、3次高調の信号が急にでてきておかしくなる。

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